狂×恐～昨日のカタチ～ (ページ13)

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第四章「遊ノ始」一話ページ13

俺たちが今いるのはこの学校で一番安全な保健室。この保健室はものすごく広い。言葉にできない

ほどだ。パソコンやキッチン、ベッドやトイレ、風呂なんかもある。同じクラスで何においても完

璧で女子に人気な、福田宏太(ふくだこうた)によると、

「人が増えれば、物も増える。人が減る・・まぁ誰かが死んでしまえば、物も減る。そういう仕組

　なんじゃないかな。」

ということらしい。この部屋は生活には困らない。だがしかし、一番の問題がある。それは、

「武器がたりなーーい！！」

(((びくぅ！！)))

「うるせーぞ！玲！」

「びっくりしたぁ」

玲先輩も同じことを考えていたらしい。この後、玲先輩の呼びかけで俺と花、それから楓と玲先

輩、夜神先輩の五人で話し合いをすることになった。

「特に刃物系の武器がないよなー」

「やっぱ、武道館に行くしかないのかー」

先輩二人は、武道館に行くのが乗り気ではないようだ。何故か聞くと、

「「嫌な予感がするから。」」

と二人声をそろえて言った。俺たちは、全員でいくか、班に分けていくか、半分の人数で行くか話

し合っていた。が、なかなかいい案が出なかった。そのとき、

「全員で行けばいい。その方が武器も手に入ると思うしね。」

そういったのは五人のうちの誰でもなかった。

「え？」

そう言って声のした方を見ると、藍色の髪に、コバルトブルーの目をした女子が立っていた。

「あの・・あなたは誰ですか？」

楓が呼びかけると、

「あぁ、すまない。僕の名前は火口レア(ひぐちれあ)。イギリス人と日本人のハーフだ。これ

　でも女だ。」

火口先輩は、三年生の先輩で玲先輩と夜神先輩の幼馴染らしい。

「え！火口レアさんって・・もしかして、剣道やってますか？」

花が聞くと、

「よくわかったね。えーと・・名前は？」

「あ・・田村花です。」

「そう、花の言う通り。僕は剣道をやっているよ。なぜわかったんだい？」

と火口先輩は答えた。