狂×恐～昨日のカタチ～ (ページ12)

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第三章三話ページ12

順調に進んでいたその時、

ヒュッ！ビチャッ！

前にいた三浦先輩の首が飛んだ。続けざまにケタケタと笑う少年の声が聞こえた。声のした方を見

ると、黒いフードのあるマントをはおり、血の付いた大きな鎌を持った骸骨がいた。しいて言うな

ら・・『死神』。

俺の方にも鎌が来るが、しゃがんでかわす。すべて骨でできた体。どこに弱点があるのかわからな

いため、無駄に撃つこともできない。鎌をひたすらよけていたがそろそろ限界だ。仕方なく俺は発

砲する。しかし鎌は振り下ろされる。それをよけながらだと、全然弾が当たらない。しばらく粘っ

ていると突然、カチッと音がした。弾切れだ。

「やべッ」

鎌をよけている今、弾を入れる余裕は無い。銃はあきらめ、必死で前を向き走る。突然前に現れた

二体目の死神の鎌を何とかよける。

「玲！！！扉をあけろぉ！！」

夜神先輩が叫ぶ。ガラッとドアが開き、玲先輩が出てくる。

「急げー！！」

「わかってらぁ！！」

俺と夜神先輩は保健室に滑り込み、玲先輩はドアを閉める。

「はぁはぁ・・」

「結構やられちまったな・・」

夜神先輩の声にハッとする。元から少なかったとはいえ、二十人以上いたメンバーが気づいたら、

俺と夜神先輩の二人だけになってしまった。玲先輩に図書室の危険さを説明すると、

「そうか・・二人が無事でよかったよ。他のメンバーがやられたのは悔しいけど・・」

不幸中の幸いだね・・と寂しそうに笑う玲先輩。そのあと、夏奈から保健室にあるもののことや、

湯沸室から持ってきた物のことなどたくさんのことを教えてもらった。すると楓が、

「銃の弾がなくなったり、うまく使えないって人のためにほかの武器も持っていた方よくないですか？」

と、玲先輩たちに提案する。「確かに・・」と先輩たちが悩み始めると、

「あの・・それなら武道場に木刀と薙刀だったらあったはずです。取りに行ってはどうですか？私

が案内します。」

剣道部に入っている田村花(たむらはな)が声を上げた。他の人達も頷く。確かに頼もしい仲間

がいるとはいえ、不安の方がでかい。何人も死んでいった俺らの仲間たち。これから俺たちはどう

なるのか。

　「狂気と恐怖の死(デス)ゲーム。逃げた先に待つのは生か死か」
　～運命やいかに～
　