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否定しません12 ページ12

夕暮れ


辺りが仄かに暖かい赤でいっぱいになる時刻
孫兵と私は自分の影がのびるのを見て、少しだけ昔のようにクスリと笑いあった



A「……孫兵」


孫兵「んー?」


A「孫兵は私が動物になっちゃったら、どう思う?」


孫兵「? 何言ってるんだ?Aは人間っていう動物じゃないか」


A「そういう事じゃなくてー…えっと。あ、私が毒蛇とか毒虫になったら」




そう言うと孫兵は「あぁ」と納得したように言った
『人間っていう動物』…孫兵は変なところで現実的だ



孫兵「うーん…Aが、かぁ…」


A「そんなに深く考えなくても良いよ?」


孫兵「僕はAがそうなったら、きっと素敵だと思うな」


A「…そっか」


孫兵「あ!もしかしてAには毒虫たちの素晴らしさがわかるのかい!?」



孫兵は人畜無害な笑みを浮かべ、私の手を強く握った
あぁ…こんなキラキラした目で言われたら、『理解できないよ』なんて言えるわけないじゃない



A「うん。とっても素敵だよね」





地面に伸びる影は、二つとも笑顔だった

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作成日時:2017年8月28日 12時

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