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雪が2センチほど積もり、まだシンシンと降っている。



深夜0時。



恭平くんは、自分の部屋で寝ていた。



恭平くんのお母さんは、部屋にいて、まだ眠っていなかった。



そして、恭平くんのお父さん。仕事が終わり、入浴中だった。



そして、事件はおきた。



(カチッ)



(コツッコツッコツッコツッ)



入浴が終わり、髪の毛を乾かしていた恭平くんのお父さん。



犯人は、灯りのついた方へ。



(コツッコツッコツッコツッ)



(ガラガラっ)



扉を開けた瞬間、恭平くんのお父さんは犯人の腕を掴んだ。



「やめろ!!」


「なにが目的だ!!」


「家族には手を出すな!!」


周囲のものを全てを倒しつくした犯人と恭平くんのお父さん。


必死の抵抗をした恭平くんのお父さんだったが、ダメだった。


胸部、腹部を何度か刺され、大量出血とともに亡くなった。




大きな物音を聞き、異変を感じた、恭平くんのお母さん。


恭平くんのお母さんは、迷わず恭平くんの部屋へ行った。


「恭平、窓から逃げて!早く!大丈夫、あとで母さんも行くから。」


それだけを伝えて、部屋を出た。


寝ぼけていた恭平くんは、体を起こし、部屋を出た。



扉を上げれば、どんどん近付いてくる革靴の音。



「母さん?ねぇ、けんかぁ?」



「恭平逃げて!!!」



聞いたこともない恭平くんのお母さんの声だった。



恭平くんが目にしたのは、犯人と自分の母親が向かい合っているところだった。



「母さん……?」



「恭平、大丈夫。逃げて…生きて…お願い…」



「母さんを置いて逃げることなんてできないよ!ねぇ!母さん!!死なないよね!!母さん!!」



これが、恭平くんのお母さんと恭平くんの最期の会話だった。



目の前で、母親が倒され、腹部を3度。


生々しい音と、母親の叫び声と唸り声。


自分の方へ流れてくる、母親の血液。




そして、


靴についた雪が溶け、歩くたび「キュッキュッ」と。


(コツッコツッコツッコツッ)



「やめて…………やめて…………父さんは………どうした………、、」



(コツッコツッコツッコツッ)



「やめて………やめて…………」



(グサッ)



恭平くんも刺された。腹部を一度だけ。


どうして一度だけだったのか。


恭平くんのお母さんが亡くなる前、救急車を呼んでいた。


たった1人の息子を、どうにかして救いたかった。


それが、最期の願いだった。

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もち(プロフ) - 設定とか、ストーリーの進み方とかめっちゃ好みです!更新楽しみに待ってますね!!! (2022年4月6日 20時) (レス) @page6 id: acdacc1966 (このIDを非表示/違反報告)
海音(プロフ) - 最初から読まさせて頂きました!更新お願い致します! (2020年2月21日 0時) (レス) id: e6c32add0c (このIDを非表示/違反報告)
ふーか - すっごく良いお話。更新頑張ってください!!!! (2019年8月6日 11時) (レス) id: 20fb14c53f (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - みんと。さん» え、めちゃんこ嬉しいです…泣 励みになりまくりますわ…。こらからも、ぜひよろしくお願いいたします。 (2019年1月21日 20時) (レス) id: ecdb636290 (このIDを非表示/違反報告)
みんと。(プロフ) - すごく切なくて 、少し読んだだけで感動してしまいました 。これからも影ながら応援させて頂きます 。お体に気をつけて 、更新頑張って下さい ! (2019年1月21日 20時) (レス) id: 3ad5bf786f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なな | 作成日時:2019年1月19日 17時

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