第四話 妹弟と朝 ページ4
桜子たちはようやく起きてきて
リビングに行くが、
いつも朝ごはんを
作っている兄の姿が
今日は見当たらない。
ソファーがある方に目を向けると、
もぞもぞと黒い塊が動いていた。
白っぽい銀髪が見え、
それが兄であることを確認した
桜子たちは小声で話し始めた。
「あれ、A兄寝てる……?」
「ん?兄貴、いつも早起きなのに珍しいな」
「昨日も夜遅くまで起きてたのかな?」
「いや、結構早めに寝てたから……あー、今日日曜なのにはやく起きて暇だったんだろ」
「学校ないもんね。A兄も二度寝するんだねー」
まるでAが二度寝をしたことがない
希少価値な人間のように言う桜子が
可笑しくて、柊は思わず笑ってしまった。
「なに?」
「いや……すごい寝癖だなぁと思って」
「嘘っ!?」
「うん、嘘♪」
「柊のばかー!」
いくら桜子たちが
遅く起きたと言っても
まだ午前8時頃だ。
これだけの大声を出していれば
Aも起きてくるだろう。
「ったく、なんで柊は
嘘ついたりするわけ?」
「桜子の反応が面白いから」
笑いながら言う柊に
噛み付くように言葉を返す桜子。
「はぁ!?私のことからかって遊んでるってこと!?」
「……んぅ、何……うるさい……」
桜子の怒声でついに
Aが目を覚ました。
寝惚け眼で、妹弟たちを確認する。
「あ、兄貴おはよう」
「おはよう、A兄」
「おはよう……
んで、何を喧嘩してたの?
おかげで眠気がすっかり飛んだけど」
「柊が私をからかってきたの」
「桜子の寝癖が気になってさ」
「……何それ……ふぁあ、眠……
あぁ、ご飯作るから大人しくしといて」
眠そうに大きなあくびをして、
Aは台所へ向かった。
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作者名:GISELe | 作者ホームページ:後日専用ホムペを作成予定
作成日時:2018年9月24日 17時