溶解度61ｇ ページ17
ザザー……
｢また雨ですかい。梅雨は嫌ですなぁ｣
｢だよねぇ。ベタつくし｣
｢髪も広がっちゃうし｣
｢神崎ちゃんの髪は綺麗だよ！？
私のこのボサボサの髪見てよ！
どうしたらそんなに綺麗な髪になるの！？｣
｢Aは神崎さんみたいになれないっしょ｣
｢うるせえクソ赤髪｣
本当にやだ、この髪。
ぴょんぴょん跳ねるし、広がるし。
私は、髪をつまみ上げてため息をついた。
｢はい、おはようございます｣
｢おはよーございます｣
｢烏間先生から転校生が来ると
聞いていますね｣
｢あーうん。まぁぶっちゃけ殺し屋だろうね｣
｢こんな雨の日に来る、その転校生は
馬鹿だね｣
｢上から言いやがって｣
｢ん？寺坂、何か言ったかな？
喧嘩なら受けて立つけど？
いっぺん(意識ごと)飛んでみる？｣
｢やめなさいよ｣
速水ちゃんに止められたのでやめまーす。
うーん、雨って本当、人を嫌な気持ちに
させる天才だね。
まるでカルマみたいだ。
｢そーいや律、何か聞いてないの？
同じ転校生暗殺者として｣
｢はい。少しだけ｣
そう言って、律は原さんの質問に答える。
律｢初期命令では、私と｢彼｣の同時投入でした。
ですが、二つの理由でその命令はキャンセル
されました｣
｢へぇー、その理由って？｣
｢ひとつは彼の調整に予定より時間が
かかったから。もう一つは私が彼より
暗殺者として圧倒的に劣っていたから｣
ここまで聞いて、ゴクリと唾を飲み込んだ。
嫌な汗が吹き出す。
先生の指を一本飛ばした律が
その扱いなんて……
突如ガラッと扉が開く音がして全員が
振り向いた。
｢は？｣
そこには白装束とでも言うのだろうか
そんな服を着た覆面を付けた男が
立っていた。
そして次の瞬間……鳩を出した。
｢ええ？｣
｢ごめんごめん驚かせたね。転校生は
私じゃないよ｣
そりゃそうだろう。
こんなパッと見成人男性が中学生です
なんて言ったら誰でもビビるわ。
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漆零(プロフ) - ゆっきーさん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2017年3月26日 21時) (
レス) id: 8306faec61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー(プロフ) - 漆零さんの作品はどれも面白いのでこれからもがんばってください！ (2017年3月26日 20時) (レス) id: d4b1b28eff (このIDを非表示/違反報告)
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