5話 審神者業って何? ページ6
Aがそう不安そうに尋ねたところで、青葉が頼んでいたサンドイッチとコーヒーが、運ばれてきた。
ふわふわのパンに挟まれた
タマゴサラダが美味しそうだ。
「審神者とは物に眠る想いや心を
目覚めさせ力を引き出す能力を
持つ人のことを言います」
簡潔に、分かりやすい説明でAは助かった。専門用語だらけの説明は流石に思考回路が停止する。
「はぁ……。まぁ昔からそんな体質では
ありますので……」
Aは苦笑いを浮かべながらそう答えた。
現代に至るまで鏡やお茶碗、草履など様々な付喪神を見てきた。いやー、幻覚かと思っていたけどそうでは無いらしい。
もしかしたら、昔会った刀の付喪神にも
再び会えるかもしれない。
「それはまさに審神者になるべきお方ですね。
もし了承していただけるのならば、
この契約書に署名していただけると」
渡された和紙に書かれていたのは
審神者についての説明事項だった。
刀剣男士と呼ばれる刀の付喪神と
本丸で暮らすことが出来るらしい。
名前とハンコを押し、
書類を青葉さんに返す。
「はい、確かに。
そして大変言い難いのですが……」
「何でしょう」
「本丸についてなのですが、ただいま空きが無く、まず研修としてブラック本丸に派遣されることとなります」
派遣……それは別にいいとして、
ブラック本丸とは何だろうか。
「ブラック本丸とはその名の通り、刀剣男士達に無理を強いる審神者が所有している本丸のことです」
「……何となくご察しします。
ですがそんな危険なところに何故、研修と称して派遣させるのですか?優秀な本丸に派遣させた方が良い審神者が生産されると思いますけど」
「言いたいことは分かりますが、
『ブラック本丸を潰していくため』というのが我々政府の考えなので。
ですので、研修が終わればそのまま本丸を浄化してそのまま暮らして頂くことも、その本丸
自体をなくして、新しい本丸を作ることも
可能です」
ブラックをホワイトに還すのはいいとして
その研修はいつまであるのだろうか。
「あ、研修と言っても大体一週間前後の
短期間なのでご安心ください」
それでは2日後迎えに来ます、と告げ青葉さんは帰って行った。
二日後に刀剣の付喪神たちが見られる。
少しだけ胸がワクワクしていた。
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
ラッキー刀剣男士
同田貫正国
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作者名:泡沫 ヒナ | 作者ホームページ:後日専用ホムペを作成予定
作成日時:2018年7月29日 22時