47話 怨嗟の刀を持つのは ページ48
ヒュンっ!
突然何かがAの脇を横切った。
ちょうど縁側の柱に刺さったのは
一振りの刀だった。
大きさからすると打刀だろうか。
「A、怪我はねぇか?」
「はい、大丈夫……」
背後から瘴気をまとったような気配が
感じられた。
「……く、……に」
くぐもった低い声のせいで、
何を言っているかはわからない。
しかし、その姿を見てあの男であることを
確信した。
「A、この刀長谷部の旦那のだ!しかも闇堕ちしてる」
長谷部……確か織田信長さんが茶坊主を切ったときに使われたという、切れ味のいい刀。
「私に何か恨みでも?闇堕ちしてるような使えない刀をどう利用するつもりですか?」
男は、Aの言葉に反応して顔を上げた。
人間とは思えないその形相に
Aは思わず笑ってしまった。
薬研はAのその様子にぎょっとする。
この女は一体何を考えているのか。
全く読めないからだ。
「その顔じゃあ、まるで化けもんだ。ふふ、人間でも心の中に鬼を飼っているようだねぇ。私よりも飼い慣らすのが下手なようだけど」
鬼とは、一体何なのか。
自分たちが目にして、相手にしている
時間遡行軍とは別なのか。
薬研はいろいろなことを疑問に思った。
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ラッキー刀剣男士
同田貫正国
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作者名:泡沫 ヒナ | 作者ホームページ:後日専用ホムペを作成予定
作成日時:2018年7月29日 22時