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36話 霊力切れはほどほどに ページ37

そう言えば今剣や燭台切、鶴丸にはまだ見せていなかった。


「姫鶴一文字という太刀と山本寺吉光という
短刀です。山本寺は粟田口吉光の打った刀
なので薬研とは兄弟になりますね」


「兄弟が増えるのか」


「それって政府に認められてるのかい?」


「刀の所有は初日に認められましたけど、
顕現については何も聞かされていないので
何とも言えないですね」


「他の本丸にはいない刀だからな。それを顕現させれば、きみの刀を狙う奴らも現れるだろうな」


鶴丸の言葉を聞いて、少し不安を覚える。

確かに、狙われる可能性は高くなってくる。
でも、自分を守るために大切な人から
もらった刀だ。そう易々と人に譲れるような
代物でもない。


「ひとまずアレを何とかしなければ話は
もしも話で終わります。実現することが
第一でしょうね……」


「Aどうした?」


「少し眠くて……」


鶴丸の声が遠くに聞こえる。
ぐらりと体が傾きそのまま目を閉じた。

清光が眠ってしまったAの体を支え、
彼女の部屋まで連れていくことにした。




「A、寝不足だったみたい」


「きのうきたばかりですしね」


「かなり動き回ってたみたいだからな。
疲れが完全に取れていないんだろう」


Aを布団に寝かせると、彼らは
部屋をあとにした。


「僕、あとでご飯作るね。
なにかリクエストはあるかな?」


「Aには消化にいいものにしてあげて」


安定がAの心配をして、
燭台切に頼み込む。


燭台切は快く了解し、自分たちはあるものを
食べようか、ということで相談が終わった。

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同田貫正国


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作者名:泡沫 ヒナ | 作者ホームページ:後日専用ホムペを作成予定  
作成日時:2018年7月29日 22時

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