特別なお昼ご飯 (ページ35)

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佐久間side

大我が俺の方に戻ってきて数カ月がたった

少し薄れていたはずの気持ちも独占欲も

簡単に引き戻された所だった。

大我が俺の物になった瞬間復活したって事は

やっぱり傷つきたくなかっただけなのだろう...

人のものになるって

怖くて自分のじゃない悔しさもあった。

そんなある日

教室に樹がやってきた

大我は彼からのすっと目を逸らした。

樹『すみません佐久間くん、いいですか？』

佐『お、あぁ、いいよ！』

話の内容は察しがついた。

体育館裏..

佐『大我の事？』

樹『そうです、
俺、やっぱ諦められないです。
彼にどんなに拒否されても
やっぱりきょもがすきなんです。』

佐『うん、、でどうしたの？』

樹『佐久間君はどれくらいきょもがすきですか？』

佐『..........どれくらい...って？』

樹『.......俺だったら
きょもが死ぬなら一緒に死ねるくらい好きです。』

笑顔でそう言い放った。

...

俺がどれくらい...

考えたことも無かった。

樹『...佐久間くん？』

.....

佐『...........俺だったら...大我の事殺せるかな...』

...

さらっと吐いてしまった。

ただあの美しさとか

儚さとか

俺の手で殺せたら

どれだけ幸せだろうって

屋上でぼーっとする彼を見ると思う。

ひとりでグラウンドを見つめる彼を見ると思う。

きっとそのグラウンドを見る目の先には

樹の姿でもあるんだろうか...

無意識に緩んだ頬を見ると思う。

....

下を向く樹の顔を見ると

自分の発言にハッとした。

佐『ごめん怖かったよね笑笑』

樹『............分かりました。
俺が同じ、いや、それ以上に愛せるようになったら
また佐久間くんと話しに来ます。
それまできょものこと絶対離さないでください。』

...

佐『....心強いな...』

樹は俺なんかよりずっと彼を想ってると思う

上手く言葉にできると思う

彼の力はそれくらい大きい。

それに大我の気持ちも

過去のものを離すのが怖いだけだ。

ただ俺も同じ....

もう失うのが怖い

消えないで...

そう思うばかりだ......