【過去編】はじまりの日 ページ1
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2005年 4月某日
東京都立呪術高等専門学校
広さの割に机が少ない教室には男子学生1人、女子学生2人が椅子に座りもう1人の入学生を待っていた。
夏「あともう1人の筈だけど、とりあえず自己紹介をするね、私は夏油傑。呼び方は何でも構わないよ。これからどうぞよろしく」
切長の目を涼しげに細めた男子学生は「君の名前は?」とショートカットの女子学生に話を振る。
家「家入硝子。私も呼び方は何でも良い。よろしく」
夏「硝子ね、じゃあ君は?」
最後に残ったロングヘアの少女。彼女は薄く笑みを浮かべながら軽い声で名前を述べた。
『私は藍染A。できればAで呼んで欲しいかなぁ、よろしくね!』
「よろしく」と他の2人の声が少し重なって返ってくる。
少しの沈黙が続いた後、勢いよく引き戸が開けられた。
五「ウワ、これだけ?」
クソツマンネーとでも言いたげな顔をして大遅刻をかましたのは、かの有名な五条悟だった。
といっても、夏油、家入、藍染は彼が誰だか検討も付かなかったのだが。
夏「遅刻だよ…私は夏油傑。とりあえず名前を聞いてもいいかな?」
五「はぁ?俺のこと知らねぇの?お前一般家庭出身か?」
夏「そうだけど、君は随分な有名人なのかな?」
出会ったばかりの2人の間にバチバチと火花が鳴る。
家入は知らん顔で外を眺め、藍染は少しオロオロしながら2人を見ていた。
『あ、あ、えっと…夏油くん落ち着い…』
五「あ?なんだこのブス」
ピシッと藍染が固まる。
藍染はそろ、と無意識にも夏油の背中に隠れてしまった。
突然自分の背に隠れた彼女に夏油は戸惑いながら「Aはブスじゃないよ」とぬるいフォローをした。
五「いんや、ブスだな。チビだし、術式も結界術?補助監督にでもなんの?自慢できんのその胸だけじゃね?」
ケラケラ笑う五条。堪らなくなった夏油が五条の方へ歩き出そうとしたその時、夏油の耳を掠めて何かが飛んでいった。
五「うわっ!!何すんだテメェ!!!」
間一髪で五条が躱したものは弓矢の形に作られた結界だった。
『…貴方の名前を教えて下さい。教えないなら次は当てます』
複雑な形に指を組んだ彼女に五条は舌打ちをして言った。
五「五条悟。そこの結界女、覚えてろよ」
やっと名前を告げた彼に、藍染はにっこり笑った。
『よろしく!藍染Aです!いい名前だね!』
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ナミ - コメント失礼します。すごく面白いです!夢主ちゃん可愛すぎます!更新頑張ってください(^^) (2023年3月29日 10時) (レス) @page5 id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 一言でいうと最高です。大好きです。 (2023年1月24日 21時) (レス) @page5 id: 64fcbccf7d (このIDを非表示/違反報告)
紡木かなえ(プロフ) - なつさん» ありがとうございます!私の作品欄から見つからなければ、もしかしたらフィルターがかかっているかもしれません!ブラウザ版からログインして設定を確認してみてください!!早く更新できるよう頑張ります! (2022年4月4日 23時) (レス) id: 4fb629dc44 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 初コメ失礼します!前編から見ていたのですが、続編だということでめちゃくちゃ楽しみにしていました!ところで質問なのですが、前編のスピンオフ作品見たいのですが、どこにも作品があらず。。。どうすれば見れるのでしょうか、? (2022年3月28日 0時) (レス) id: f8c41f4d35 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - 続編おめでとうございます! (2022年3月12日 23時) (レス) @page5 id: 98cd497361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紡木かなえ | 作成日時:2022年3月11日 23時