一瞬で埋められる8年間 ページ17
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気付けばこの2ヶ月ほどで五条の物が増えたな、と部屋を見渡して思う。最初はお茶しか無かった引き出しにはココアやミルクティーなどの甘い系が仲間入りして、クローゼットには五条の服が入るようになった。
洗面所には歯ブラシが二つ、化粧品の棚には五条のシェービングフォームが並んでいる。
『…』
今日来ないの、ちょっと寂しいな。なんて柄にもない事を考えてはブンブンと頭を振る。いやいや、あんなスケベで自分勝手な変態、来なくていい。
『…8年間1人だったのに、たった2ヶ月でこれじゃあ…だめだなぁ、あはは…』
勝手に開けたいちごオレを見つめる。
8年前、もう誰にも会わないと心に決めて高専を出た。理由はちっぽけだったが、あの頃の私には、呪霊を祓う事にしか生きがいを見出せなかった私にとっては、大きな決断だった。
どうせみんな忘れるだろうと思っていたのに、五条は8年間ずっと私を探していたんだ。夏油だって、私の顔を見た途端、すごく嬉しそうな顔をしていた。硝子にはまだ会ってないけど、今となってはすごく会いたい。
そして何よりも、小学校の呪霊を祓った時のあの感覚…
『五条私のこと天職って言ってたっけ…その通りかもなぁ』
ぼんやりとテレビの小さな音を聴きながら、そのままソファに倒れ込んだ。
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ガチャっと玄関が開く音がして目を覚ました。お昼に電気を点けなかったので部屋は真っ暗だった。今何時だ?
『五条かな…五条ー?』
結局来たんじゃーんと言いながら玄関に向かう。
『泊まり込みじゃなかったの……え』
そこにいたのは五条ではなく、隣の部屋の人だった。
『えっおとなり、さん…?どうして…』
「イ、インターホン押しても…で、でで、出なかったから…」
間違いなく鍵を掛けたはずだ。なのになんで、この人は…
ふとお隣さんの手に針金が握られているのが見えた。…ピッキングだ。早く追い返そう。追い返して五条に相談……違う警察だ、警察に相談しなきゃ。
『あ、ごめんなさい!寝てたんです!気付けなくて…ぅ、わっ!!』
いきなり体を掴まれて硬い床に押しつけられる。
『いっ、た…!何するんですかっ』
「か、彼氏いたことないって、ほほ本当ですか?」
なんで知ってるの…?
ギリ…と腕を爪を立てて強く握られる。
『やめてください…離してッ
五条ッ』
五「はーいイチャイチャはそこまでね♡」
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紡木かなえ(プロフ) - 。さん» あらら! ブラウザ版からログインして設定するとできるはずです!試してみてください! (2022年3月3日 19時) (レス) id: 4fb629dc44 (このIDを非表示/違反報告)
。 - やややっぱり見れないかもしれませんね...フィルターはこちらの問題ですかね (2022年3月3日 17時) (レス) id: 08adf0175c (このIDを非表示/違反報告)
紡木かなえ(プロフ) - 。さん» まじですか泣 題名は【五条悟から8年間逃げた女(R)】です!もしかしたらフィルターがかかっているかも知れませんね… (2022年3月2日 22時) (レス) id: 4fb629dc44 (このIDを非表示/違反報告)
紡木かなえ(プロフ) - souさん» ありがとうございますー!!!嬉しいです! (2022年3月2日 22時) (レス) id: 4fb629dc44 (このIDを非表示/違反報告)
。 - 絶対に作品見つけれる気がしません(泣) (2022年3月2日 20時) (レス) @page41 id: 08adf0175c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紡木かなえ | 作成日時:2022年2月19日 15時