57話 ページ9
パンパンと、拍手が起きた。
私はその相手へ視線を向ける。
1人拍手をしたのは ベテラン審神者様だった。
それにつられたようにあちらこちらから
拍手が起きる、次第に 会場全体が拍手に包まれる。
私はゆっくりと主様の元へ向かった。
「A…」
呆然と立ち尽くしている主様に
微笑んだ。
「主様に恥は、かかせられませんから。」
「A ‥。 ありがとう‥」
「はい。」
涙目になり始めた主様に慌ててハンカチを差し出す。
本当に会場が洋風でピアノが置いてあって良かった。和だったらこうはいかない。
でも、これで一様なんとかなったはずだ。
そう思い司会の声を待っていると。
ブチッと、マイクの電源が入った音がした。
司会者の隣でトントンと、マイクを叩いているのは あのベテラン審神者様だ。
一体どうしたんだと見つめていると、
その審神者はマイクを持ってとんでもないことを言い出した。
「えー、先程の○▲〇〇▲番本丸の手違いの
原因は私でございます。 試すような形で運営に急遽変更させたのだが、予想以上の結果にとても感激致しました」
「は?」
何を言っているんだ。
つい顔にピクリと引きつるが、それは鶴丸さんも主様も同じである。
その時パチリと ベテラン審神者様と目が合った。
「ティル ヴィング、貴女を私の本丸に迎えたい。 」
「は?‥」
「主人に恥をかかせまいと 咄嗟の機転、
そして見るものを魅了する圧巻のパフォーマンス。相当優秀な刀であるとみれる。是非、私に力を貸して欲しい。手厚くもてなすし
不自由はさせないよ」
是非うちに と、何故か満足気に微笑むベテラン審神者に私は完全に言葉を失った。
……何を言っているんだろう。
色々突っ込みたいし、言ってやりたいことがある。
しかし、それがあり過ぎて逆に
口は開いては閉じを繰り返して肝心の声が出てこない。
少なからず動揺もしていたのだと思う。
その時、
「だ、駄目だ‼‼」
会場にマイクを通した審神者の声にも負けないくらい大きな声が響き渡った。
私は思わず声の方を向いて目を見開く。
呆然としている私の代わりに
即座に言い返したのは、驚いたことに
主様ではなく鶴丸さんだった。
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華音(プロフ) - 初めまして、刀剣乱舞大好きで一通り読ませて頂きました♪泣いたり笑ったりとても楽しかったです。ただ所々ですが誤字脱字やヒロインの名前が変換されてない個所が全体的に多かったので^^;ご報告させて頂きますね。 (2022年1月15日 14時) (レス) @page43 id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - こだぬきさん» 本当にありがとうございます。以前のコメントもとても励みになりました。感謝の気持ちでいっぱいです。 (2019年8月15日 9時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - 藍花さん» ありがとうございます。楽しんで頂けたのなら何よりです、 (2019年8月15日 8時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - anao10さん» そう言ってもらえて嬉しいです。私も鶴丸対決は書いてて楽しかったです。 新作も書きました、是非興味があれば読んでみて下さい。 (2019年8月15日 7時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - 椿さん» コメントありがとうございます!その後の話はもう書いてあるので、また載せていこうと思います! (2019年8月15日 7時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏子メロンパン | 作成日時:2019年6月25日 18時