80話 ページ32
何とも言えない気まずい空気が漂ったまま、ゲートをくぐって本丸へ到着する。
屋敷に向かうと、皆で宴会の準備をしているのか、バタバタと騒がしかった。
主様は私に内番服に着替えるように言って
その場は解散する。
鶴丸さんもいつものように何も言わず、スタスタと歩いて行ってしまった。
その後ろ姿を私はぼんやりと、眺めながら、首を傾げる。
やっぱり、いつもの彼だ。
あの様子を見ると、演練での騒動が夢のように思えてくる。
凄く真剣な表情で問われた時は流石に戸惑ったが、あれはきっと、国永と張り合っていただけなのかもしれないな。
私は結局 あれこれ考えても仕方がないと思い、先程の騒動を同族嫌悪という言葉で片付けて、部屋へと足を進めた。
自室で素早く戦闘服を脱いで、白いワンピースに腕を通す。赤いリボンで髪を結って、いつものように腕にチェーンをつければ完了だ。
宴会の準備をしているのなら、少しでも手伝った方がいいだろう。
前の食事当番の時は戦力外通告をされてしまったが、日本料理に不慣れなだけで、料理の腕は問題ないと自負している。
そう思って、私は部屋を出た。
……が、
「嬉しいんだけど、今は人手が足りてるんだ。」
「あー、有難いんだけど 演練で疲れてると思うし…」
「えっと、僕等だけで大丈夫です！Aさんは身体を休めて下さい！」
と、何処へ行っても断られてしまった。
楽といえば楽だが、何とも複雑な気分だ。
ちらっと見えたのだが同じ演練の部隊だった方達も準備を手伝っていたのに自分だけ休むというのは…気が引ける。
私は部屋に戻る気はもなれないし、する事も無いため、広い本丸の庭をブラブラと歩いていた。
演練開始時は真上にあった太陽も傾き、
燃えるような夕陽が空を茜色に染め上げ、聳え立つ山々が大きな影を作っている。
そういえば、こんな時間に散歩したことなど今までなかったかもしれない。
揺らめく太陽が山の合間に沈んでいく様子は何とも幻想的であった。
しかし、同時にしんみりとした気持ちにさせられる。
一人、この真っ赤な世界に取り残されたような…。
そんなことを考えながら一歩踏み出した途端、身体が急に傾いた。
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華音(プロフ) - 初めまして、刀剣乱舞大好きで一通り読ませて頂きました♪泣いたり笑ったりとても楽しかったです。ただ所々ですが誤字脱字やヒロインの名前が変換されてない個所が全体的に多かったので^^;ご報告させて頂きますね。 (2022年1月15日 14時) (
レス) @page43 id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - こだぬきさん» 本当にありがとうございます。以前のコメントもとても励みになりました。感謝の気持ちでいっぱいです。 (2019年8月15日 9時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - 藍花さん» ありがとうございます。楽しんで頂けたのなら何よりです、 (2019年8月15日 8時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - anao10さん» そう言ってもらえて嬉しいです。私も鶴丸対決は書いてて楽しかったです。 新作も書きました、是非興味があれば読んでみて下さい。 (2019年8月15日 7時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - 椿さん» コメントありがとうございます！その後の話はもう書いてあるので、また載せていこうと思います！ (2019年8月15日 7時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏子メロンパン | 作成日時：2019年6月25日 18時
