74話 ページ26
すると、少しだけ国永が眉尻を下げて微笑んだ。
その表情が何処か寂しそうに見えて
私はつい気になって尋ねる。
「どうかしましたか？」
「……いや」
何かを言おうとして口を開くものの
躊躇っている、そんな表情。
何が彼をそんな顔にさせるのかがさっぱり分からなくて私は困ってしまった。
「何かありましたか？」
「…いや、ただ、君が…俺の本丸に来てくれたら良かったのに と思ってな。」
後ろ首をかきながら、小さく呟かれた
思いもよらない言葉に目を見開く。
驚いて何にも話さない私に
国永は慌てて言葉を付け加えた。
「別に演練を申し込もうなんてつもりはないぞ！ただ、ふとそう思ってだな」
「… はぁ」
「う、嘘じゃないぞ！ただ、少し羨ましくて」
よく分からない言葉を言い続けている。
ふと、我に返ったのか
言うんじゃなかったと国永が焦り始めて、
私はその様子につい吹き出してしまった。
「ふふ、ベテラン審神者様とは違って、私の事情を知ってる貴方にそんな風に言ってもらえるなんて…すごく嬉しいです。」
見た目とかレア度とかそういうので彼は判断しているわけでは無いと分かるから、素直に
嬉しかった。
「でも、私は貴方が別の本丸で良かったと思ってます。」
「……‼」
その言葉に国永が目を見開いたのが見える。
「もし一緒だったら、貴方とこんな風に
なれなかったかもしれないから」
万屋で泣いていた私の話を聞いてくれて、
友だと言ってくれて、どれだけ私が救われたか彼は知らないだろう。
でも、きっとそれは彼が別の本丸だったからこそ、出来たことかもしれないのだ。
「…そうか、そうだよな…」
何処か納得したような顔を浮かべる国永に
私は 大きく頷く。
すると、国永は何かを決意したかのような瞳を私に向けて口を開いた。
「一つ頼みがあるんだが…」
「？？ …はい。なんですか？」
いつもの彼らしくない表情に首を傾げる。
やっぱり、何か悩みでもあるのだろうか。
彼には助けてもらった、だから力になれるのなら…。そう思い耳を傾ける。
「抱きしめさせて貰えないだろうか」
「……は？」
…その場に予想以上に大きかった私の声が響き渡った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
もう駄目だ…。(白目)
鶴丸サンドなんて呑気に言ってられない。
主人公がフラグをぶち壊す度に、
彼等が思いを募らせているよ。
胃が痛む人生での癒しは足りていますか？
私は足りていない。
ー作者ー
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 384人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
華音(プロフ) - 初めまして、刀剣乱舞大好きで一通り読ませて頂きました♪泣いたり笑ったりとても楽しかったです。ただ所々ですが誤字脱字やヒロインの名前が変換されてない個所が全体的に多かったので^^;ご報告させて頂きますね。 (2022年1月15日 14時) (
レス) @page43 id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - こだぬきさん» 本当にありがとうございます。以前のコメントもとても励みになりました。感謝の気持ちでいっぱいです。 (2019年8月15日 9時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - 藍花さん» ありがとうございます。楽しんで頂けたのなら何よりです、 (2019年8月15日 8時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - anao10さん» そう言ってもらえて嬉しいです。私も鶴丸対決は書いてて楽しかったです。 新作も書きました、是非興味があれば読んでみて下さい。 (2019年8月15日 7時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - 椿さん» コメントありがとうございます！その後の話はもう書いてあるので、また載せていこうと思います！ (2019年8月15日 7時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：杏子メロンパン | 作成日時：2019年6月25日 18時
