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23話 ページ25

「… 君は折れたいのか?」

有無を言わさない彼の圧力に

「……い…え」

と、ブンブンと首を振った。

「ほら、 乗るんだ」
「…… すみません」

躊躇したが、身体が動かないのは事実で
一言呟いて、彼の首に腕を巻きつけた。
よっ と、持ち上げられ、
ユサユサと揺られて、まるで揺かごの中にいるようでまた視界が微睡んでくる。
意識が飛びそうになって、まずいと思った私は鶴丸さんの肩にしっかりと頭をのせた。
ビクッと彼の肩が跳ねた気がするが
落ちないよう腕にも脚にも力を込めて
すり寄った。

「……」

本当に疲れていたんだと思う。
さっきのは夢だったが、
あのひどく寒く暗く 心も体も冷たい所は確かに私が生まれた場所だった。

しかし、今は違う。かけられた羽織や伝わってくる体温。

「…あったかい…」

刀の時には感じなかった熱を感じて
私は また意識をゆっくりと暗闇へ戻した。

その暖かさが無性に私を安心させて、

「…… もう、あの場所には戻りたくない」

そう呟くほど、完全に気を抜いていた。

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杏子メロンパン(プロフ) - ありがとうございます。そう言って貰えてとても嬉しいです。 (2019年6月22日 19時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
永遠の0 - やべぇ・・・・・・やべぇ←私の好みにドンピシャだぜぇ・・・・・!(*´∇`*)更新ファイト!(*≧∀≦*) (2019年6月22日 18時) (レス) id: bc7da5b929 (このIDを非表示/違反報告)
アズマ - この物語の少しシリアスな感じが好きです!これから影ながら応援させていただきます! (2019年6月22日 15時) (レス) id: 13ba803884 (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - そらまるさん» コメントありがとうございます。励みになります。 (2019年6月22日 5時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
そらまる(プロフ) - 面白いです(^^)更新楽しみにしています(^^) (2019年6月22日 1時) (レス) id: 01606349cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:杏子メロンパン | 作成日時:2019年6月20日 18時

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