16話 ページ18
その後、他の刀剣と合流して本丸に帰った。
誰も怪我はしていない。
主様が門まで来て笑顔で迎えて下さった。
加州さんや乱さんは嬉しそうに駆け寄っていく。
私は2人のように笑えないし、情けない顔をしているため合わせる顔もなく、とにかく恥ずかしく最後尾で俯いていた。
鶴丸さんに言われた言葉が頭に響く。
私は自分が思う以上に傷ついているらしい。
なんとも言えないドロドロとした悔しさだとか怒りだとか様々な感情が胸の中で
混ざり合って 口を開けば飛び出しそうだ。
一人一人激励する順番が来て主様が私の前に立っていた。
「 初陣はどうでしたか？」
「‥もっと強くなりたいと思いました」
「ふふ、 そうですか。 大丈夫、すぐに皆に追いつきますよ」
その言葉で胸のドロドロが一瞬で浄化されていくように感じた。
大丈夫‥ その言葉は今の私には優しすぎる。
主様は微笑んで 私の頭を撫でる。
気恥ずかしくて やめて下さい と、言うと
何故か主様はさらに笑みを深くして中々撫でるのをやめなかった。
「大丈夫、貴女は強くなるから」
そして私の服についていた泥に気がついて
後で審神者部屋の風呂を使うように言う。
出陣後は一度風呂に入るのが日課らしい。
私はコクリと頷いた。
ーーー
隊長のみ審神者に報告すれば良いので
内番服に着替えて、洗濯してから風呂に向かおうと少しだけ泥がついた青いマントを持って洗濯場に行った。
確か昨日 場所を教えてもらったはず。
シーツが干された場所を抜け
洗い場までやって来る。
泥のついた部分に洗剤をつけて汚れを落とす。 まぁ、洗濯機を回すほどでもないな。
干竿の一部分だけ借りて干させてもらおう。
外に出て青いマントをかけると風になびいた。
今日は本当に快晴でこれならすぐ乾く。
眩しい太陽の光に目を細め、思いっきり背伸びをした。
掴めるわけもない太陽に向かって手を伸ばす。
無情にも真っ青な空は私の心を癒してくれた。
服は洗った為いいが、身体はどこか砂っぽい。 髪にも入ってしまったかもしれない。
日光浴もほどほどにして シャワーを浴びようかな。
一度自室に戻って 着替えをもち
そろそろ報告も終わってるだろうと
主様のところへ向かう。
私の部屋から離れている為 当然ながら他の部屋を通る必要がある。
刀剣達は昼間は襖を開けているみたいで
どこからか楽しそうな話し声が聞こえてきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 285人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
杏子メロンパン(プロフ) - ありがとうございます。そう言って貰えてとても嬉しいです。 (2019年6月22日 19時) (
レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
永遠の0 - やべぇ・・・・・・やべぇ←私の好みにドンピシャだぜぇ・・・・・！(*´∇｀*)更新ファイト！(*≧∀≦*) (2019年6月22日 18時) (レス) id: bc7da5b929 (このIDを非表示/違反報告)
アズマ - この物語の少しシリアスな感じが好きです！これから影ながら応援させていただきます！ (2019年6月22日 15時) (レス) id: 13ba803884 (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - そらまるさん» コメントありがとうございます。励みになります。 (2019年6月22日 5時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
そらまる(プロフ) - 面白いです(^^)更新楽しみにしています(^^) (2019年6月22日 1時) (レス) id: 01606349cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：杏子メロンパン | 作成日時：2019年6月20日 18時
