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10話 ページ12

「どうして、そのようなことを?」

彼に尋ねた瞬間に理解した。
彼はわざと聞いているのだ。
彼の目に私への興味なんて微塵も感じられない あるのはむしろ疑心と嫌悪だった。

「いや、少し気になる話を耳にしたのでな」

私はここにいるほとんどの刀に歓迎されていない。そう感じるのは十分だった。

「い、岩穴で生活するドワーフという妖精だそうです。」

私の言葉に鶴丸さんは眉をひそめる。そして四方から声が飛んできた。

「それだけか?」
「奇妙な力でもあったんじゃないですか?」
「そう、例えば呪いとか」
「君からは、よく分からないけれど
穢れとは少し違う力を感じる」

背の高そうな、これまた髪の毛が切りそろえられた方が言った。

「持ち主に破滅をもたらす呪いをかけられた剣」

なぜか、とんでもない疑惑をかけられていた。
え、私が主様を破滅させると彼等は思っているのか?
刀なら逸話の1つや2つくらいあるでしょうに‥
確かに過去ではそう言われていたけれど、それは私にはどうしようも出来なかったことだ。

「刀だった頃とは違います。今は自分の身体がある。」

とっさに、反論したが彼等には通じなかった。

「いや悪いが、全ての本丸を含めて一振りのみの鍛刀、そして性別も異なるとなると
歴史修正主義者だけでなく審神者同士でも信用ができなくなる。人間の欲望は凄いからな」
「君が傷つける気は無くても周りが傷つけるかもしれない。」
「現に君を求めて何日間も鍛刀部屋にこもる審神者もいたそうだからね」

名前も覚えていない方達に四方八方から言われ私は俯くしかなかった。
本霊の意図なんて分霊の私が分かるわけがないだろう。
反論したい、でも通じない。
どうしたら、どうしたら、納得してもらえる。

「あー、泣かれても困るんだけど」
「やっぱり女の子だと戦には向いてないんじゃない。」

俯いたのが泣いていると思われた。

「泣いてませんし、性別は関係ありませんよね」

先程から彼らは性別のことも気にしている気がした。
確かに男に比べて女は力が弱いかもしれないが かといって泣き虫だなんて不愉快だ。

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杏子メロンパン(プロフ) - ありがとうございます。そう言って貰えてとても嬉しいです。 (2019年6月22日 19時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
永遠の0 - やべぇ・・・・・・やべぇ←私の好みにドンピシャだぜぇ・・・・・!(*´∇`*)更新ファイト!(*≧∀≦*) (2019年6月22日 18時) (レス) id: bc7da5b929 (このIDを非表示/違反報告)
アズマ - この物語の少しシリアスな感じが好きです!これから影ながら応援させていただきます! (2019年6月22日 15時) (レス) id: 13ba803884 (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - そらまるさん» コメントありがとうございます。励みになります。 (2019年6月22日 5時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
そらまる(プロフ) - 面白いです(^^)更新楽しみにしています(^^) (2019年6月22日 1時) (レス) id: 01606349cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:杏子メロンパン | 作成日時:2019年6月20日 18時

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