46話 ページ48
その場に残された彼等の空気は 最悪だ。
景色は春なのに 体は氷点下の中にいるかのようだった。
「つ、鶴さんーー！！！？何で！何であんな事になったのさ⁉」
燭台切が放心して立ち尽くしている鶴丸の肩を揺さぶる。
「いや、 ついカッとなって‥」
「あそこまで言われるなんて、この先どうするのさー！」
燭台切の声に その場が息を吹き返したかのように、他の刀剣達も 鶴丸達の周りにワラワラと集まりだした。
「何があったのですか？鶴丸殿」
「鶴丸さん‥ 何したの？」
「相当怒ってたよな」
Aがいきなり謝り、鶴丸に拒絶の言葉をかけた経緯が分からない 遊びをやめた短刀もとい粟田口一派が 尋ねた。
「いや、アレは怒りでは無いだろう」
少し離れたところで、この状態でも呑気に茶をすする鶯丸が呟く。
その隣で三日月がははは、と笑った。
その様子にその隣の小狐丸は苦笑いだ。
「確かにアレは怒りでは無いな。」
「どういう事？ 三日月さん！」
短刀の質問に しみじみとした顔で答える。
「アレは 諦めと失望さ。見限られたな鶴よ」
「ちょっと！三日月さん！ 鶴さん、大丈夫。まだ！まだ何とかなるから」
燭台切の言葉とは逆に、乱はバッサリと言い放った。
「 多分無理だよ。 女は一度冷めると驚くくらいに行動は早いし結構冷血だから。 」
「何でそんなこと知ってんだよ乱」
「ふふん、主様の部屋で毎日昼ドラ見てるからね。 ドラマは恋愛モノだけど、別れはまさにあんな感じにバッサリいくよ。」
「こら、乱。鶴丸殿のお気持ちも考えなさい」
容赦ない言葉を発する弟を一期一振は注意した。
鶴丸の肩を掴んでいた燭台切は彼の体が震えているのに気がつく。
「鶴さん？」
「どうしよう‥光坊‥。すごく苦しいんだが」
「え、何処が苦しいのさ。って、鶴さん！泣いてる⁉」
燭台切の言葉に嘘だろ⁉と、その場の刀剣が眼を見開く。
金色の瞳からポロポロと透明な 雫が落ちている。
「‥すごく苦しいんだ。 重症なんてもんじゃないくらいの痛みだ」
泣きだす鶴丸に 心優しい短刀達もつられて涙目になる。
「俺はどうしたというんだ。主には生理的嫌悪だと言われたが‥それはここまで辛いものなのか」
「せ、生理的嫌悪？ 」
薬研はその言葉に眼鏡がズレそうになった。
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杏子メロンパン(プロフ) - ありがとうございます。そう言って貰えてとても嬉しいです。 (2019年6月22日 19時) (
レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
永遠の0 - やべぇ・・・・・・やべぇ←私の好みにドンピシャだぜぇ・・・・・！(*´∇｀*)更新ファイト！(*≧∀≦*) (2019年6月22日 18時) (レス) id: bc7da5b929 (このIDを非表示/違反報告)
アズマ - この物語の少しシリアスな感じが好きです！これから影ながら応援させていただきます！ (2019年6月22日 15時) (レス) id: 13ba803884 (このIDを非表示/違反報告)
杏子メロンパン(プロフ) - そらまるさん» コメントありがとうございます。励みになります。 (2019年6月22日 5時) (レス) id: 590e18d332 (このIDを非表示/違反報告)
そらまる(プロフ) - 面白いです(^^)更新楽しみにしています(^^) (2019年6月22日 1時) (レス) id: 01606349cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏子メロンパン | 作成日時：2019年6月20日 18時
