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十一話 ページ49

すぱんと呆気なく首が舞う。
あまりにも手応えがなく、十二鬼月とは思えない首の柔らかさに、私は眉を潜めた。
鬼は何の抵抗もしなかったのだ。 血鬼術を使うわけでもなく、私の攻撃を受けた。 嫌な予感が拭えない。
案の定、転がった頭は笑みを浮かべていて、崩れていく様子もなかった。

首を跳ねても死なない。

「教えてくれてもいいじゃないか。 ……まぁ、言えないよね。君はそれを知られることを極端に恐れてるみたいだし。」

刀を持つ手に力が入る。 しかし、鬼の口は止まらなかった。

この足元で倒れている身体を斬り刻めばこの鬼は死ぬだろうか。 あまりにも情報がなく、この鬼はどうしたら死ぬのかが分からない。 鬼は私の心を嘲笑うかのように続ける。

「君って中身がないよね。幽霊や生きている人間を恐れているのに、そいつらのために刀を握ってさ。鬼に対して特別強い恨みもないんでしょ?」

ーーからっぽだよね。

心臓が掴まれた様な感覚がした。 ガタンゴトンと、列車の鳴らす音がどこか遠くに聞こえる。 それくらい、その鬼の言葉は強く私の心に響いた。 普段であれば聞き流せる筈だ。しかし、先の夢といい、これほど度重なる精神への攻撃は流石に初めてだったし、その言葉を誰かに言われたのも初めてだった

確かに、私には刀を握る理由がない。 否定もしない。素直にその通りだと思った。 鬼に対して恨みを持つような出来事に私自身が遭遇したこともない。 私を拾ってくれた人間に捨てられたくなくて、失望されたくなくて、才能がないのに刀を持つことにしがみついた。 鬼を利用した、承認欲求の解消の成れの果てに今の私がある。 立ち尽くす私を下から覗き込んだ鬼は目を弓なりに細めて囁く。

「君をあの方のところに連れて行かなくちゃいけないんだけど、その後、鬼にして貰えるように頼んであげようか? 鬼になれば少なくとも人間に脅えることは無くなるんじゃない?」

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- とても面白いです!!続編楽しみにしてます!! (2020年6月5日 9時) (レス) id: a49d59262b (このIDを非表示/違反報告)
花浪(プロフ) - いつも楽しみにしています!とても面白いです!続編でも頑張ってください!! (2020年5月31日 22時) (レス) id: ade9f5ce10 (このIDを非表示/違反報告)
- (個人の予想ですけど)侍さん多分継国縁一ではないかって思うのです (2020年5月22日 0時) (レス) id: 08cfac3417 (このIDを非表示/違反報告)
花浪(プロフ) - 額に痣と虚無が着物着たような人で分かりましたww 更新いつも楽しみにしています!頑張ってください!! (2020年5月9日 0時) (レス) id: ade9f5ce10 (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃ好きです!以前からあなたの小説を拝読していましたが、今回も凄いですね!!更新頑張ってください! (2020年5月6日 14時) (レス) id: 60842cb6dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:杏子メロンパン | 作成日時:2020年5月4日 20時

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