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第八話 ページ35

「うまい!うまい!うまい!」、

言わずもがな彼である。
弁当をものすごい速さで完食し、食べ終わる度に声を上げる。高く積まれた空箱はざっと数えても十個はあった。

ど、どいつもこいつも…。
もう少し目立たないようにしてくれないのか。一様、非公認組織なんだよね?
いや、もう考えても無駄だ。

そう悟った私はこほんと咳払いをした後、声をかけた。会うのは柱合会議ぶりである。

「煉獄さん、お待たせしました。」
「おお!君か!!よく来たな!!」
「煉獄さんもお変わりないようで。牛鍋弁当ですか?今日は鯛の塩焼きではないのですね。」
「俺も探したのだが売店に置いてなかった!だがうまい!君も一つどうだ?」
「結構です。」

煉獄さんとは何度か任務で一緒になったことがあるため、それなりに関わりがあった。
好きな弁当のおかずは鯛の塩焼き、そしてご飯はさつまいもご飯、といったことくらいなら知っている仲である。ただ、彼がさつまいもご飯を食べている時は他人の振りをしたい。
わっしょい!なんて連呼されると周りの目が痛いのだ。本日のご飯は白米であり、まだマシか…と思ったのはここだけの話である。

私は立ち尽くしている竈門くんと我妻くんに席に座るように指示を出した。我妻くんが嘴平くんを引っ張ってくれているのを横目に、確か竈門くんは煉獄さんに聞きたいことがあると言っていたことを思い出したので煉獄さんの隣に竈門くんが座るように促した。
それと向かいあうように私が座り、禰豆子さんの入った箱を隣に置く。
そして、通路を挟んで横に我妻くんと嘴平くんが座った。
それぞれが席についた所で早速、竈門くんが煉獄さんへ質問をする。それを腕を組みながら聞く煉獄さんを視界の端に入れながら、私は汽車内をぐるりと見回した。


…単刀直入に言うと、おかしい。
この汽車には鬼が出ると報告があった。
実際に隊士も消息を絶っているため誤報ではないだろう。
しかし、汽車内に漂う霊に鬼殺隊士の姿は一人も見えなかった。ここに来るまでいくつか車両を跨いだがそちらも同様である。

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- とても面白いです!!続編楽しみにしてます!! (2020年6月5日 9時) (レス) id: a49d59262b (このIDを非表示/違反報告)
花浪(プロフ) - いつも楽しみにしています!とても面白いです!続編でも頑張ってください!! (2020年5月31日 22時) (レス) id: ade9f5ce10 (このIDを非表示/違反報告)
- (個人の予想ですけど)侍さん多分継国縁一ではないかって思うのです (2020年5月22日 0時) (レス) id: 08cfac3417 (このIDを非表示/違反報告)
花浪(プロフ) - 額に痣と虚無が着物着たような人で分かりましたww 更新いつも楽しみにしています!頑張ってください!! (2020年5月9日 0時) (レス) id: ade9f5ce10 (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃ好きです!以前からあなたの小説を拝読していましたが、今回も凄いですね!!更新頑張ってください! (2020年5月6日 14時) (レス) id: 60842cb6dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:杏子メロンパン | 作成日時:2020年5月4日 20時

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