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14話 ページ14

「いつまで意地を張ってるつもりだ。」

いつものように洗濯を干そうと カゴを持って廊下を歩いていると、背後からかけられた言葉にピタリと足を止める。
今、何て言われた?

「い、じ?」

振り返るとそこには戦闘服に着替えた
鶴丸さんが立っていて、今日は彼が遠征部隊に入っていたことを思い出す。
彼を入れても良いか 主様に聞かれて、私は迷わず 構わないと答えたのだ。

「主に 身体の調子が良いから、俺を部隊に入れても大丈夫だ、と言ったんだろう? 」
「はい。‥事実ですから。」
「っ、‥‥ふざけるなよ、よくもそんな嘘ばかり吐けるな。君が大丈夫なわけないだろう!」

‥‥どうしてそこまで 険しい顔をするんだろう。

いや、愚問か。
彼が好きなあの別の本丸の"私"
と顔だけは同じだから。
心の中では浅ましいと思いながらも、
こうやって声をかけてくるのか。
ほんと、ご苦労様としか思えない。
そして、自分が凄く惨めに感じる。

私は胸の中に蠢く黒い感情を必死で隠そうと
表情筋に力を入れて取り繕った。
自分の今の顔が、引き攣っているかどうかは分からないが必死で笑顔を作り、声を明るく、高く、を心がける。

「大丈夫ですよ。鶴丸さんがそこまで気にする必要はありません。自分の事は自分が良く分かってます。」

遠回しに突き放す言葉に 彼の瞳が少しだけ開かれるのが見えた。
そして徐々に外気の温度が下がっていき、
私は半ば逃げるように後退する。

距離をとろうとする私に鶴丸さんは手を伸ばしたが、何かを言う前に彼を呼ぶ声に遮られた。

「遠征の方達が呼んでいますよ?早く行った方がいいのでは?
‥‥わ、私は洗濯があるので。」

それだけ告げて、一目散にその場から駆け出す。
鶴丸さんが私の名前を呼ぶ声が聞こえたが 構うことなく 、私は "廊下を走るな"と書かれた貼り付けを堂々と無視して、洗濯干し場まで 走り続けた。

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あめみや - 急な一期一振に口角が下がりません。ありがとうございました (2月23日 20時) (レス) @page30 id: d39539a2df (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - 凄く感動しました、、。 (2020年8月13日 0時) (レス) id: 45c17c16c0 (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - すごーくおもしろかったです! (2020年3月28日 10時) (レス) id: f390aacf74 (このIDを非表示/違反報告)
anao10(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れさまでした…!そわそわする展開で毎話毎話じっくりと読み込んでしまいました…笑。次回作品も楽しみです。 (2019年10月24日 0時) (レス) id: 8c68a256f2 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!!作者様の書かれる作品は素敵な物ばかりで、本当に大好きです!!毎回、刀剣男士との距離の描き方が上手で、毎回楽しみに読んでおります!次のお話も楽しみにしてます… (2019年10月22日 23時) (レス) id: 8cdd57f528 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:杏子メロンパン | 作成日時:2019年10月6日 15時

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