今夜の雨は君の涙【逆先夏目】 (ページ4)

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side鬼ページ4

目が覚めるとそこは雨の中のゴミ捨て場ではなく、清潔感を保っている部屋だった。

学院内であることには間違いないと思う。が、見たことのない場所で少し困惑する。

「目が覚めたかナ？」

驚いた。

目の前には五奇人の1人、逆先夏目がいたから。

私は慌てて立ち上がり距離を取ろうとしたが急に頭に痛みが走りしゃがみこんでしまう。

「無理しちゃダメだヨ。ほら、横になっテ」

強制的に布団の中に入れられる。

「ここは僕の隠れ家サ。ほとんど誰も来ることはないから安心してください休んでいいヨ」

わからなかった。

だって、この子は私を恨んでるはずだから。

なぜ、助けたのか。

謎だ。

「君、ココアは好きかイ？」

突然そんなことを聞かれた。

「あ、驚いかせてしまったネ。疲れた時やしんどい時は甘い物がいいってうちの先輩が言っていたからネ。君は今風邪をひいてしまったようだし温かい甘い物がいいと思ったんダ」

そう言うと逆先夏目くんはすぐ横にあるテーブルにカップを置いた。

「ゆっくり寝るといいヨ」

それだけ言い残して部屋からでていった。

ゆっくりと起き上がり、テーブルに置かれたカップを持ち上げる。

甘いにおいが鼻をくすぐる。

ゆっくりと口に運び温かいココアを一口飲んだ。

今日飲んだココアは

なんだか

今までで1番温かかった。