side鬼 ページ21
(昨日はいきなり帰って失礼だったかな…)
そう思いながらも教室に行くのは躊躇ってしまう。
夏目「大丈夫かイ？休んでもいいんだヨ？」
私は首を横に振る。
休んではいけない。勉強についていけなくなったら困るから。
夏目「…そウ？…何かあったら連絡してネ。すぐに電話を取れるようにはしておくから」
《わかりました》
迎えに来てくれた青葉先輩の背中にひっつきながら教室にむかう。
つむぎ「本当に大丈夫ですか？…気分が乗らないなら1度戻っても…」
首を横に振る。
つむぎ「…僕は心配です。…さっきから身体が震えて…」
大丈夫という意志を見せるように手をぐっと握ってみせる。
つむぎ「…そこまで言うなら仕方ないですね。何かあったら遠慮なく言ってくださいね？」
教室に入り荷物を机の上に置く。
まだ早い。誰も教室にいない時間。今のうちに気持ちを落ち着けれそうだ。
凛月「やっほ〜」
机の影からひょこっと朔間凛月が現れた。
《驚きました》
凛月「本当に思ってんの〜？…あんま驚いた感じしないけど」
《表情が追いついてこないだけです》
凛月「ふーん…」
朔間凛月は黙って逆先くんの机の上に腰をかける。
凛月「…昨日はごめん」
小さく呟かれた言葉だった。
凛月「……普通に考えれば…すーちゃんとAが面識あるってわかったのに…」
すーちゃんとは恐らく朱桜のご子息のことだろう。
《私は大丈夫ですよ》
凛月「嘘だよね」
朔間凛月の赤い眼が鋭く光った。
凛月「さっきだって…青葉のお兄ちゃんにずっとくっついてたじゃん」
《本当に大丈夫ですよ。毎朝あんな感じですから》
凛月「ふーん」
拗ねたように頬を膨らませている。
《心配をかけてごめんなさい。せっかく誘ってくれたのに…突然飛び出して…》
凛月「それは俺の判断ミスなの。謝られたくないんだけど…」
《私が失礼なことをしてしまったので謝りたいと思ったんです》
凛月「別に失礼じゃなかったし」
どうやらかなりご立腹のよう。
凛月「俺はたださ…Aと仲良くなりたいだけだから…」
《私とですか？》
凛月「あんた以外誰がいるわけ…」
《そうですよね。ごめんなさい》
凛月「謝らないでって」
私と仲良くなりたいなんて変わってる。
《また、Knightsのレッスンにお邪魔していいですか？》
凛月「…当たり前でしょ…。約束…だから」
《はい》
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作者名：炎華 | 作成日時：2018年1月5日 4時
