今夜の雨は君の涙【逆先夏目】 (ページ11)

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side鬼ページ11

「悪い！遅くなった！！」

息を切らしながら走ってきたのは私にとって見覚えのある人物だった。

スバル「サリー遅いよ～！今、この子と話してたんだー！」

「この子？」

私は慌ててフードを深くかぶりなおす。

私はその人物を知っていた。

一年生でありながら生徒会の手伝いをしそのまま生徒会役員としてのし上がった人物だから。

ー衣更真緒ー

私とも顔を合わせたことがある。

真緒「お？その子が隣のクラスに普通科から来た？」

北斗「そのようだな」

私はスマホのメモ欄に帰りたい旨を記す。

《そろそろ戻らないと…たぶん、探されてると思うし…》

真「あ、ごめんね引き止めて！さっきも帰ろうとしてたもんね」

北斗「それはすまなかったな。付き合ってもらって悪かった」

スバル「えー！もうちょっと話したかったなぁ…」

北斗「クラスが一緒だろう」

スバル「それもそうだね！」

私は足早に去ろうとすれば腕を引っ張られる。

真緒「待て、お前…どこかで…」

A「！」

私はあわてて腕を振り払い屋上から駆け出す。

覚えてた。

あの人は私のことを。

あの子達に関わるのも危ない。

「あ！Aなーー！」

後から宙くんが抱きついてきた。

宙「Aに会えて嬉しいなー！」

やっと落ち着ける子がいた事の安堵により私は宙くんを抱きしめた。

宙「どうしたのなー？…ちょっと疲れてます？宙と保健室行きます？」

慌てて首を振る。

宙「《たくさん人と話をしたから疲れただけ？》宙もたくさんおしゃべりしました！お揃いなー！」

宙くんと話をしながら教室に送ってもらう。

話を聞くところによると始業式は終わっているらしい。

私はサボってしまっていたようだ。

(今日は色々なことが…ありすぎだ)

今日は早く帰ってココアが飲みたい。