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｢だからね？｣
私の方を向いて
潤は優しく言う｡
｢夢は諦めちゃ駄目だよ？｣
｢え…？｣
｢遅いとか､早いとか…無いんだから｣
そう言うと潤はすっと立ち上がった｡
｢ごめん｡ｺﾝﾀｸﾄずれたから直してくる｣
その目に浮かんだ涙は､ｺﾝﾀｸﾄのせい？
だけどそんな事､私には聞けなかった｡
｢あれ？潤くんは？｣
突如､私の頭上から声が降ってきた｡
｢えっと…？｣
｢私､和也って言います｡よろしくどうぞ〜｣
そのままさり気なく私の隣に座ってきた｡
え？指名交代？と思ったのが顔に出たのだろうか｡
｢交代じゃないよ､俺｡｣
｢あぁ､そうなんですね…｣
｢ふふ､俺､人妻専門だから｡｣
おいおいおい…今の聞いて良かったのか？と思う言葉｡
｢潤くん､泣いちゃったんでしょ｣
｢え？｣
｢すれ違った時に目頭抑えてたから｣
よく見てるんだな…
｢何か知ってるんですか？｣
｢まぁそりゃあ…｣
｢聞いても良い？｣
｢…貴女なら良いかな｣
和也くんの話を纏めると
潤の先輩は結果としてﾎｽﾄを直ぐに辞めたらしい｡
向いてないと気付いたからだと言っていた｡
憧れの先輩が業界を去ったと知った潤は酷く落ち込んだそうだ｡
でも彼は新しい夢を見つけて頑張ろうとしていたらしい｡
しかしその直後､交通事故に遭ったという｡
｢だからね､潤くんは夢がある人をすごい応援するよ｣
｢え？｣
｢夢を夢で終わらせてほしくないんだって｣
私はその時､かつて潤にされた質問を思い出した｡
｢貴女の夢は何ですか？｣
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作者名：きょん | 作成日時：2017年11月9日 22時
