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私の指名は
いつだって潤だった｡
年は私より上だったけれど
｢潤くんって呼ばれるの苦手で…｣
と言われて私は潤､と呼んでいた｡
私の事を最初は｢Aさん｣と彼は呼んでいた｡
だけど私はそれが何となく嫌だった｡
距離を感じたくなかったからかもしれない｡
｢潤､と私は呼ぶんだから潤もAと呼んで？｣
彼は｢かしこまりました｣って笑った｡
それ以来､彼は私を｢A｣と呼んでくれる｡
たったそれだけなのに私は嬉しくて仕方なかった｡
私は行く度に仕事の愚痴を漏らした｡
そんな愚痴すら彼は真剣に聞いてくれた｡
｢Aは頑張ってるよ｣
そう言って潤は私の頭を撫でてくれる｡
その時間だけ､彼は私の恋人と化す｡
私はその時間が大好きで手放せなくなっていた｡
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作者名：きょん | 作成日時：2017年11月9日 22時
