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私は次の日
またLa tormentaに行った｡
｢いらっしゃませ､A様｣
｢昨日はごめんなさいね､翔｡｣
私は先手を打って謝った｡
理由はどうあれ､困らせただけだろう｡
｢私こそ…申し訳ありません｡｣
｢やめて､翔｣
｢昨日､裏で智くんに怒られました｣
｢えぇ？｣
あんなに温厚そうな智くんが怒るなんて｡
くすくす笑うとばつが悪そうに続けた｡
｢感情に素直にならないとﾎｽﾄ失格だよって｣
あんな話を聞いた後だからか｡
可愛く思えた｡
｢私は感情を出すのがとても下手です｡｣
｢えぇ｣
｢その所為ではないですが､人と関わる事が苦手です｡｣
｢そうみたいね｣
銀縁眼鏡を外して彼が言う｡
｢この眼鏡はそれを克服する為にしています｣
｢そうだったのね｣
｢…本当はお誘い頂いて嬉しかったんです｣
彼は目を一旦私から逸らした｡
しかしもう一度私の目を真っ直ぐに見据えた｡
｢でも､まだまだ接客を学びたいのです｡｣
背筋がいつもしゃんとしている彼は凛としている｡
｢ですから…｣
｢良いのよ､もう｡｣
｢しかし…｣
｢本心が聞けたからそれで良いわ｣
戸惑うような､目｡
｢忙しくなってあまり来れなくなるかもしれないけど
来たら必ず翔を指名するから精進なさい｣
｢…っ､ありがとう､ございます…！｣
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作者名：きょん | 作成日時：2017年11月9日 22時
