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登場｡side一郎 ページ8
その時後ろのﾄﾞｱが
勢いよくｶﾞﾗｯと開いた｡
そこにいたのは
｢井ノ原…先生？｣
俺の病気を見つけてくれた人､
俺の事を理解しようとしてくれた人｡
｢一郎くん｡お久しぶり｡
突然いなくなってごめんね？｣
話をまとめるとこうだ｡
俺と出会う前に井ノ原先生は
地方医療に携わりたいと転勤願を
提出し続けて来た｡
しかし､一向に転院は決まらなかった｡
そんな時､患者として出会ったのが俺だった｡
治療を進めるに従って俺の病気を完治させたいと
日夜問わず勉強してくれていたらしい｡
だけど不運な事に､四国の病院に行く事が
そのﾀｲﾐﾝｸﾞで決まってしまった｡
俺に一言言ってから出発する予定だったのに
日程が変わって挨拶も出来ないまま
四国へと行ってしまった｡
だけどそのままじゃ駄目だと思っていたらしい｡
そのまま月日は流れて
俺が搬送されてきた｡
そこにいたのが井ノ原先生の大学時代の先輩である
いけめん東山先生だった｡
東山先生は看護師長から
俺が元々井ノ原先生の患者だったと知って
井ノ原先生が休みの今日に来る様連絡していた｡
俺が目覚めたのは偶然だったけど
遅かれ早かれ俺が目覚めてからも来る予定だった｡
井ノ原先生と東山先生がひとしきり話すと
井ノ原先生が俺の方を向いた｡
｢一郎くん､まだ､話すのは怖い？｣
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作者名：きょん | 作成日時：2015年1月26日 11時
