兄弟ということ｡Part3[完結] (ページ24)

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兄弟という事｡side… ページ24

突然､いなくなってしまってごめんなさい｡

父さんと母さんは貴方達をいつも見守ってます｡
仏壇からね？

あの日､一郎を守ろうって
それだけを思って父さんも母さんも
自分の命より貴方の命を優先させました｡
子供を持つ親は誰だってそうすると思ったけど
思ってたよりその事が一郎の茨の冠になったのね｡
一郎に弟達の事を全て任せてしまった事､
それだけがいつまでも悔やまれました｡
だって父さんと母さんの役目を1人でやれって事でしょ？
ごめんね､母さん達が踏ん張れなくて｡
でもいつも4人の為に頑張る一郎を見て嬉しかった｡
ﾃﾞｻﾞｲﾝの仕事も､頑張ってね｡

二郎｡
貴方に私達の死に目を見せた事｡
二郎の優しくて繊細な心には
あまりにも…辛辣な出来事だったわね｡
それでも弟達の前では気丈に振る舞っていた二郎を
とても心配していたと同時に
頼もしい次男だと喜んでいました｡
ごめんね､二郎｡
でも､立派に企業に勤める貴方を見られて幸せです｡

三郎｡
優しくて､素敵な笑顔を持つ三郎は
長男次男の苦しい時に舞賀家を支えてくれたわね｡
三郎がいたから､四郎と五郎はまっすぐ育った｡
看護師という仕事をする三郎は輝いています｡
世の中に貢献する息子を持てた事､幸せだった｡

四郎｡
虐められてるのに五郎の事を考えられる四郎は
本当に優しい子だなと思っていました｡
母さん達の元へ来ようとした時､酷く焦ったのを
父さんと今は笑い話にしています｡
ﾎｯﾄｹｰｷの約束は…70年ぐらい後にしようね｡
優しい四郎が､大好きよ｡

五郎｡
ちょっと料理が得意だからって
ご飯当番になった五郎をいつも心配していました｡
でも上達する五郎に喜びもありました｡
四郎と助け合ってこれからの困難も乗り越えてください｡
ﾓﾃちゃう五郎が母さん達の誇りよ｡

貴方達兄弟が私達の子供である事が母さん達の誇りです｡
これからも｢兄弟という事｣､その関係を壊さず
仲良く､協力して暮らしてね｡
母さん達は仏壇から空に移動します｡
でもいつだって貴方達の事を見守ってるわ｡

父･母より｡