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意識｡2 ページ3
人が走る様な
病院には似合わない音｡
｢いち兄！！｣
その足音の主は…｡
｢しろ…｣
その後から入ってくるじろちゃんやさぶ､五郎｡
｢何で…？｣
どうしてじろちゃんはそんな泣きそうな顔をしてるの｡
発作後みたいな儚げな印象なのは何で｡
どうして三郎の目はそんなに赤いの｡
目の下の隈はいつ出来たの｡
どうしてしろはそんなに泣くの｡
お前､この間まで超俺に怒ってたんじゃねぇの｡
どうして五郎は何も言わずに俯いてるんだよ｡
四郎の手をぎゅうって握って何を抱えてるんだよ｡
…あぁそうか｡
俺がお前達をこんな表情にさせてるんだな｡
ごめんな､こんな兄貴で｡
お前達の悩みが1個も分からない｡
何でそんな顔をしてるのかも
何を考えてるのかも｡
…こんな駄目兄貴だから､
母さんも父さんもいなくなったのかな｡
そんで…いつかお前達も俺から離れてくのかな…
そしたら俺…生きてる意味無いや…
考えるのが嫌になってもう1回暗闇に戻ろうとしたら
東山先生がそれを止めた｡
｢一郎くん､逃げちゃ駄目だ｡
君が逃げたら何も解決しない｡
彼らは…受け止めようとしてくれるんじゃないのか？｣
そんな訳…
｢いち兄､皆でちゃんと話そう｡
皆でちゃんと向き合おう｡｣
そう言ったのは､三郎だった｡
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作者名：きょん | 作成日時：2015年1月26日 11時
