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頼る｡side一郎 ページ15
三郎の話は
きっとずっと前から考えてたんだろうなって
そう思った｡
｢看護師｡
俺は三郎に向いてると思うよ｡
…ねぇいちくん？｣
口を開いたのはじろちゃんだった｡
｢おぅ…｡向いてるよ｡
でもな｡｣
どうしてっも言っておきたい事があった｡
｢な…に？｣
不安に揺れる三郎の瞳｡
｢学費の事も一人暮らしの事も…
金の事は気にすんな｡
そういうのは兄ちゃん達に任せれば良いの｡｣
｢そうだよ､三郎｡
俺もﾊﾞｲﾄしてるし､いちくんも就職してる｡｣
さっきまであんな少年みたいな顔してたじろちゃんが
兄貴の顔になってる｡
｢ありがとう…｣
ぼろぼろ泣いてる三郎｡
感受性豊かな三郎は泣くと止まらないよね｡
反対されるなんて思ってたのかな｡
肩震えちゃってる｡笑
｢三郎くん｡看護高校ってどこの話をしてるの？｣
そう聞いたのは井ノ原先生｡
｢関西の…ですけど｣
｢こっちにもあるよ？
電車で30分ぐらいのところ｡｣
調べてなかったのか､三郎｡
灯台下暗しだな…流石俺の弟…｡
｢受験…頑張る…｣
泣いて顔がぐっちゃぐちゃだったけど
きらっきらの笑顔で俺達に宣言した｡
｢んじゃ…じろちゃん｡
喋れるか？｣
びくっと肩を震わせたじろちゃんが
こくりと頷いた｡
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作者名：きょん | 作成日時：2015年1月26日 11時
