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隠し事｡side四郎 ページ11
｢そっか…｣
そう呟いたのは五郎だった｡
｢皆でちゃんと乗り越えていこう｣
さぶが五郎の頭を撫でながら笑った｡
｢他の皆も何か言う事あるんじゃないの？｣
東山先生が俺達を見回して言う｡
｢え？俺だけじゃないの？
皆隠し事してるの？｣
きょとんとしたいち兄｡
｢三郎くんも四郎くんも五郎くんも
…二郎くんも｡
ちゃんと皆で向き合うんだろう？｣
優しく井ノ原先生が促す｡
でも言えない｡
俺は言えないよ…｡
｢僕､ずっと黙ってたけど…
しろの事で皆に隠してた｡
しろに言わないでって言われたけど…
ごめん､しろ｡ちゃんと話そう？
どうしてしろばっかりなんだよ…｣
そう言って五郎は背筋を伸ばした｡
｢言わないで…｣
そう呟いた俺の言葉を無視して｡
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作者名：きょん | 作成日時：2015年1月26日 11時
