確か、モトカレ (ページ6)

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それからしばらくして、新生活にも慣れてきた頃

分かったことがある

隣のクラスの時点で

すれ違わないとか避けるとか不可能、無理

体育は1.2組、3.4組だから被らないけど、

大体1.2組の後に私たちだから

更衣室に向かうときに、あっちは出てくるわけ

すれ違うじゃん

トイレに行こうと廊下に出ると

廊下にいるわけじゃん、彼は

食堂でご飯を買おうと並んでると

机に座って食べてるわけじゃん、彼は

あさ、登校すると

「…。」

登校してくるわけじゃん、彼は

当たり前じゃん、生徒なんだから

タイミング悪すぎて泣ける

上履きを履いてるわたしと、

今登校してきた彼

2組と3組、下駄箱は向かいあわせなわけで。

耳にイヤフォンしてるんだけど、このタイミングで聞いてるのはラブソングだし

「北斗くん、おはよ」

松「…はよ」

って会話も聞こえてくるし

色々と無理

早歩きで3階にある教室に向かう

歩きながらバッグを開けてリップクリームを探す

乾燥するから最近

探しながら階段を上り切って角を曲がると

「うぉ」

「わっ」

お互いの素っ頓狂な声と小さな落下音

「ごめんね、前見てなくて！」

「あ、ごめんなさい、わたしこそ」

角で出会い頭に交通事故

わたし尻餅ついちゃった

「あ、リップ」

ぶつかった拍子に落としたバッグ

散乱する荷物を片付けてたら探してたリップクリーム発見

ここにいたんだね君は、ずいぶん探したよ

「まじでごめん」

ファイルから飛び出してるプリントを集めてくれてる男の子

あ、ペンケース

よくあそこまで飛んだな

消火器のところに落ちてるペンケースを取りに行こうとしたら

ふらっと現れた人影

松「…はい」

「…あ、ありがと」

渡す前に埃を払ってくれた

そんな些細なことにも反応してしまうわたし

「あ、おは、今軽く交通事故起こした」

松「おはよ」

「ねぇ、痛いところない？ほんとにごめんね」

「あ、全然、平気です」

・

・

教室に着くと

京「おはよ」

珍しく既に登校してた

「おはよ」

机に荷物を置いて何気なく携帯を開くと

「およよ」