確か、モトカレ (ページ1)

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確か、あれは中学生の頃

「A」

「なに？」

「俺、お前のこと好き」

「多分だけどさ、お前も俺のこと好きだよ」

でしょ？って首を傾げて聞いてきた

「うん、多分」

そうわたしは返した

中学の入学式で、席が隣でちょっと話して

面白くって格好良かった男の子

クラスも、最初は名前順だから前後になって

「A」

「北斗」

と呼び合う関係になって

そこから１年くらい経って

2年もクラスが同じになって

冒頭の展開に戻る。

付き合ったら付き合ったで、

「おいカップル」

とか

「ラブラブしてんねぇ～」

ってからかわれて

わたしたちはそこまでカレカノ感を感じていなかったんだけど

周りから煽られると

あ、カレカノなんだ

って意識しちゃって全然話せなくなって

クラスが3年で分かれたことを機に

廊下ですれ違っても

「…。」

「…。」

多分、別れた

多分ね

そこからは避けまくって、卒業まで一言も話さなかった

周りも多分察したのか、だれも茶化してこなくなった

卒業式の日には、ドラマでしかみたことないくらい

「北斗くん写真撮って」

「北斗くんボタンちょうだい」

と、たくさんの女の子に囲まれてるのを遠目に見て

「やっぱ格好良いな」

って思ったくらい

・

・

・

良い思い出だったな

くらいに留めておこうとした

高校はそこそこのレベルの学校に進学して

そこそこの学校生活送れれば良いかなって思ってた

高校の合格発表も、見た限り同じ学校の子は少なくて

新しい友達たくさんできるかな～って、楽しみにしてた

けども。

「北斗！本ばっか読んでんなよ！」

「北斗～」

「ねぇ北斗、きょもと喧嘩？」

北「いや？馬が合わないだけ」

・

・

何故か、君がいる