確か、モトカレ (ページ3)

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ちっちゃい声で呟く京本大我

「…」

振り返ったら負けだ

そう言い聞かせてひたすら前を向く

京「ねぇ、無視？」

今度は髪の毛ツンツンって引っ張られること数分

「…なに」

ついに負けた、振り返ってしまった

京「あ、やっと聞こえた」

京「北斗の元カノさんでしょ？俺知ってるからね」

苦手、京本大我なんか苦手

京「まぁ、仲良くしてよ俺は北斗とはあんま仲良くないけど」

「…わたし多分あなたのこと苦手」

京「北斗の元カノさん、怒らないでよ」

「だから、それ」

京「あ、北斗の元カノ」

「だから、それ、辞めて」

割と強めに言うと

京「A」

でしょ？って

あんまり男の子から下の名前で呼ばれることはないんだけどなって思いながらも

「うん」

京「Aは？俺のことなんて呼ぶの？」

「京本くん」

京「大我でいいよ」

「いや、きょう…」

京「大我」

「下の名前で呼ぶの？」

京「うん」

「あんまり呼ばないんだよね」

京「北斗のことは？なんて呼んでたの？」

「…」

京「北斗、だね」

そう言えば北斗って…って話を続ける京本大我

「わかった、大我くん」

これでいいでしょ？

京「悪くはないね」

新学期早々、自己紹介の後は普通に授業

4限までしっかりとやって、お昼休み

心「はぁ～疲れた、早くお昼買いに行こ」

「うん」

2人で廊下を歩いて売店へ向かうと

京「A！俺トマトのサラダとコロッケパン！」

宜しく～って教室から手を振ってる

「…まじでアイツ」

辞めてくれ、大きい声で叫ぶの

注目浴びるじゃん

そこからは小走りで廊下を駆け抜ける

心「え、京本くんと仲良かったっけ？」

「…ついさっき」

心「顔面強いよね京本くん」

「うん、強い、美形」

なんて話しながら、わたしの手元には

コロッケパンとトマトサラダ、そして卵サンド

いや、優しいな自分と思いながら3つ抱えて教室に戻ると

京「よし、良い子良い子」

まるで犬を撫でるかのように頭を撫でる

「ねぇ、ほんとに」

ブチギレるぞ

京「はい、お金」

よくやったぞという言葉と共にお金を手のひらに置かれる