私の声、君の歌声-5-

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そして、ティラノのいない生活が始まった。


食堂も1人、夜の暇電もない。

電話がかかってくると、ティラノかもしれない

ってぱっと見るけど、京本くんだったりほっくんだったり




みんなには申し訳ないけど、今1番欲しい電話はティラノだ。



ティラノかもしれないって思ったあとに、みんなの電話にはなかなか出る気が起きなくて、ほとんど出なかった。



終業式も終えたから、とりあえず実家に帰る。





いつもはティラノと向かう駅も1人で歩いた。









いつのまにか最寄りについていて、家までぼーっと歩く。







部屋に荷物を置いて、荷ほどきをする。


学校のファイルを取り出すと、そこから1枚の写真が落ちてきた








ティラノと撮ったタイムズスクエアの写真



あれ、現像した覚えないんだけどなって思って裏っ返してみると





「またね、Aちゃん」


ってティラノの癖の強い字で書いてあった





慌ててファイルから紙を全部取り出して、他の写真もないか探すけれど、これ1枚だけだった





ティラノがいなくなってから３日しか経ってないのに、早いような遅いような、焦燥感が心を痛めつける。




よくわからない焦りが出てきて、




3日前、出る気持ちになれなかった京本くんの電話


焦るようにしてタップするけど


呼び出し音が鳴るだけで、つながらなかった









急いで家から飛び出して、すぐそこにある京本くんの家のインターフォンを鳴らす




親御さんがいるかもしれないって思ったけど、そんなことはどうでもよかった








でも、京本くんの家には誰もいなかった









わたしは1人、防波堤に向かって走り出していた









ギターも持たずに、ただ防波堤に座って真っ青な空と海を眺めていた







途中京本くんから折り返し電話があったけど、


気付かないふりして、何にも考えずにぼーっとしてた






今何時かなって思って携帯を開くと、LINEが溜まってた



今日
大我わり、電話今気づいた
大我いまどこ

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