私の声、君の歌声

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「え」


なんで知ってるんだろう


「聞いた」


「あ。そうなんだ」


勝手にコーチ辺りかなって思った


「誰？」


「わかんないんだよね」


「それも聞いた」


「うん、そんな感じ」


って半ば無理やり話終わらせたんだけど、今日ほっくんと、コーチと恋バナしたら意外と楽しかったから

自分でもわかんないんだけど


「京本くんは？そういう人いないの？」


って、口が勝手に言ってた

口を開いてから後悔した


「…。」


だって京本くん黙り込むんだもん

いや、格好いいから彼女いるのかなとか、え、もしかして最近別れて傷心中？とか

割とパニックになってたら


「いる」


って、応答あり


「え、彼女さん？」


ってパニックながらも慌てて会話続けて


「いや、気になるやつ」


って


「うわぁ、アオハルだね」


って真面目に返したんだけど


「いや。おまえもな」


って話してたらいつのまにかわたしの家


「あ。ここなのわたしの家」


「ふーん。近いじゃん」


「え、どこなの？」


って聞いたら


「あそこ」



って、いや、うん。近い



「近いね、今まで会わなかったのが不思議だよ」


「いや、見たことあるから、お前のこと」


え？


「お前は俺のこと最近知ったかも知んないけど」


「じゃあな」

って、また少しいたずらに笑っていうんだ




「じ、じゃあね」


って



京本くんはやっぱり掴めない

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