成り行き ページ6
「は、はいっ!!」
「私とかっちゃんは付き合ってないし、あれは…キスとかしてないし…、それに、私好きな人いるから…」
自分で言ったことが急に恥ずかしくなり、顔が火照りだす。
あぁ、顔が熱いよっ。
同時に、好きな人がいる。という余計な情報まで彼に言ってしまったこともまた悔やむべきところだ。
「あ…そうなの?」
安堵したように、緑谷くんはホッとする。
でも、なぜか表情が暗い。
なんでなんだろう。という疑問と同時に、少しの期待を抱いている私がいた。
もしかしたら、両思いかもしれない。
それなら…。と。
「私………や君が好きで…」
「え?」
はぁぁぁ。言えた。
やっと言えた。でも、なんで言っちゃったんだろう。
そんな告白した私に対して、彼は申し訳なさそうに聞き返した。
「ごめんね…、聞き取れなかった」
「……っあぁあああああ」
私は恥ずかしさと絶望で叫ぶ。
そしてそのまま隣のベッドの布団を頭に被る。
「えっ!?Aちゃん!?」
「……」
「ご、ごめん…よくわからないけど、ごめん」
あぁ、…好きな人に謝らせるようなことをしてしまった…。
何をしているんだ私は。結局は自分の失態のせいなのに。
布団をかぶった上で、やっと冷静になった頭を思いっきり働かす。
この状況でどうすればいいのだろう。
そんな中で、なぜかかっちゃんの言葉が脳裏をよぎる。
どうしてこんな時に…。
「好き…」
「好き?好き?え?」
「緑谷……くんが、好き」
私の心臓はバクバク言っている。
私だって馬鹿なことを言っているってわかっている。
高校生のガキが、バカみたいな恋愛心抱いて、告白してるなんてこと、わかってる。
わかっているのに、無理だってわかっているのに、なんで涙が止まらないのだろう。
目からはボロボロと涙が溢れ出て、止めようと思っても止まってはくれなくて、しまいにはしゃっくりまで出てきてしまうではないか。
「ご、ごめんねっ…。なんでもない」
あぁ誰か来てくれないだろうか。
誰でもいい。こんな私の顔を彼に見せるぐらいなら、いっそのこと誰かがこの場に割って入ってくれればいい。
そうすれば、私の告白だってなくなるのだから。
「…っ!!ぼくは!!」
大きな声で、尚且つ震えるような声で彼は叫んだ。
びっくりして、私の涙は止まる。
「僕は…好きだよ。Aちゃんのこと」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪飴 | 作者ホームページ：https://twitter.com/_kz_0
作成日時：2017年7月24日 0時
