馬鹿は学ばない。 ページ30
「うっわぁ…。筋トレグッズばっか」
部屋にはダンベルやバイクマシン、私も名称を知らない色々な筋トレのためのグッズがある。
もちろんそればかりではないのだが、それが一番部屋で威圧感を放ち、明らかに部屋に合ってない。
まぁあの性格からしたら、これが普通なのかもしれないけれども。
私は問答無用にソファに座る。
「チッ」
舌打ちをしながら、私とは反対側に座り、足を机に置くと、顔を合わせまいとそっぽを向く。
どこぞの悪ガキかよ。なんてこと言ったところで、現状が悪化しかしないため心の中で収める。
名前も知らない後輩が私の隣にビクビクした様子で座った。
「そんなにびくつかなくても…」
「いえ…その…爆豪さんのカレーだとは知らずに食べてしまって…申し訳ありましぇんでした!」
彼のいらない威圧を感じられる座り方のせいだろうか。
あまりの恐怖に後輩は言葉を噛み、尚且つ冷や汗を垂らしながら頭を深々とかっちゃんに向けて下げた。
「僕のせいで…Aさんにも多大なるご迷惑をおかけしてすいませんでした!!」
「いや、いいんだよ。実際かっちゃんが先に手を出してきたからこうなったんだし」
手をひらひらをさせ、私は苦笑いで彼にそんな深く気に病むことはないよ。と合図を送る。
が、怒りが静まったことを彼は見事に掘り出してくれるではないか。
まさにこれは人をイラつかせる才能。
「はぁ!?お前がちゃんと否定しねぇから勘違いしたんだろうが!」
ペッと唾を私に吐きかける挑発じみた発言に、私の額には怒りマークが一個できる。
「否定してない?したんだけど?お前の耳は飾りか?あ!?」
「んだと!?じゃあてめぇの口はシールかよ!!」
「飾りと一緒だよ!!馬鹿か!!」
「うっせ!!死ね!死ね!」
結局私は大人になることはできていない。
こんな軽い挑発に乗ることはよくないのだと頭ではわかっているのだが、彼に言われると無性に苛立ちが普通の倍になっている気がする。
ここからまた先ほどのようになるという展開も、実際あったかもしれない。
だがしかし。私はこれからいずく君とデートに行くのだ。
デートだデート。こんなガキを相手している暇などない。
「ふっ…まぁ私は大人だ。しかもこれからいずくくんとデートだ。
かっちゃんなんかとこれ以上じゃれあっている暇なんか無いんだよ!
じゃあね!!」
「あっ!まちやがれ!!逃げんじゃねぇ!!」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪飴 | 作者ホームページ：https://twitter.com/_kz_0
作成日時：2017年7月24日 0時
