言わなきゃ伝わらないこと ページ14
「んなこと知るかよっ、いい加減その手離せっ」
「そうか。なら俺はこの場でAを凍りづけにするが、お前は何もするなよ」
「ハァ!?」
かっちゃんの驚きは、私も一緒だ。もちろんお茶子ちゃんも。
だけど、彼の目は冗談で済むような目つきじゃない。
嘘でしょ?いやなんでそんな展開になるの?
「ま、まってよ轟君。おかしいよね?」
お茶子ちゃんは私を庇うような姿勢になり、彼にそう言う。
が、彼の返答は恐ろしかった。
「俺は本気だ」
「っ…」
ヒュゥッと、冷たい冷気が彼の周りに集まる。
その肌寒さは、私の恐怖心を余計煽る。
やめてください。なんて言葉、言ったところで意味なんてないだろう。
彼は私を殺す気でいる。
なぜかは知らないが、いや、なぜ?
なぜ彼は私に対して攻撃する?
理由なしに彼はこんなことしない。だから、理由があるはずだ。
その理由さえわかればいいのに…。
「っ…ま、まって…ください…」
このいつ攻撃されるかわからない状況で、正常に頭が働くわけないだろう。
「わりぃな」
やられる。と、ふと私は悟る。
なぜこんなことを悟らなければならないのだろう。
そんな気持ちもあったが、死ぬ直前に見えるという走馬灯というものは見えなかった。
それもそのはずだ。彼の攻撃は別の人間に当たったのだから。
「か、」
「爆豪くん！！！」
お茶子ちゃんを無理にどかし、彼は私の前に飛び込んだ。
彼女はは私に向かって倒れ込んだところを、私は上手く受け止める。
なんで…かばった。
「どうして」
「これが答えだ」
彼の攻撃は放たれることはなかった。
だけど、かっちゃんはそのまま私の膝下に倒れこむ。
傍からみたらどんな状況だ。とだれもが思う状況。
「テメェ、騙しやがったな!!」
「こうでもしないと、お前は正直になれないだろ?」
「轟くん…、怖い」
「私も思う…」
お茶子ちゃんの口からでた言葉に、私は共感するしかなかった。
なんて計算高い男…。おっそろしぃ。
「大切なもんを粗末に扱うな。
失ってから後悔なんてしたくないだろ。爆豪」
「大切?こいつが?ふざけんなよ。
こいつが死んだら俺がとばっちり食うんだよ。
だから守った。それだけだ。それに何の意味があるってんだ、あぁ?」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪飴 | 作者ホームページ：https://twitter.com/_kz_0
作成日時：2017年7月24日 0時
