こんな気持ち、知らない

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駅に着いて数分後、電車がホームに入ってきた。

いつもより早い時間に来てるからか、人が少ない方。


｢人少ないね。｣

桃｢いつもこれくらいだよ〜。俺、たまに寝坊して通勤ラッシュの時に電車乗ることもあるけど(笑)｣

｢それってだいぶ遅い時間じゃん(笑)どんだけ寝てんの(笑)｣

桃｢俺だって寝坊したくないけど、布団が俺を離してくれないの〜！｣

｢何それ(笑)あ、もう電車乗るから静かにね？｣

桃｢は〜い！｣


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学校の最寄り駅に着いた。

俺の言うことをきちんと聞いて、佐久間はずっと静かにしていた。

まぁ目が合えば笑ってたけど。

あ、そういえば佐久間に連絡先聞いてない。

今聞いちゃおうかな？


｢佐久間、連絡先聞いてもいい？そういえば昨日聞くの忘れてた。｣

桃｢お！いいよ！ちょっと待ってね〜！｣


と佐久間が制服のポケットからスマホを出した。

すごいカバー...。可愛い女の子のアニメキャラ？


桃｢はい！俺のチャットのID！｣

｢ありがとう！｣


ふはっ、アイコンも背景画像もアニメだ(笑)

...あ、このアイコンの女の子の名前...“たいが”...？

まさか、昨日の寝言は、このアニメキャラの女の子？！


｢ねぇ、佐久間。このアイコンの女の子って...。｣

桃｢！阿部ちゃんそのアニメ知ってるの？！｣

｢え？！え〜っと...少し、気になって...。｣

桃｢うぉっほ〜！やった〜！佐久間さんが教えてあげる！！！」


アニメの話になった瞬間、目の輝きが倍になった。

なんだ、アニメのキャラクターだったのか。

安心した...。

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