こんな気持ち、知らない

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そんなこと考えてる内にダンスは終わっていた。

いやさすが...。

照のダンスは安定していて、センターじゃない時にも存在感があったし、舘様は優雅というか、後ろに薔薇を背負ってるみたいに綺麗なダンスだったし。

...佐久間は...かっこよすぎた。

目に毒だよ、こんなの...！


桃｢阿部ちゃ〜ん！どうだった？佐久間のダンス！｣

｢！うん。すっごい上手だった！佐久間って身体柔らかいんだね！｣

桃｢えへへ！そうかな？嬉しいな！阿部ちゃん！｣

｢ん？｣


佐久間が俺の名前を呼んだと思ったら、目をとじて少し下を向いた。

キス...？いや違う。だったら上を向くか。

いやそもそもなんでキスって考えが出てきたんだよ、俺。

これは...あれか！

ぽんっ

と佐久間の頭に俺の手を乗せてそのまま撫でた。


桃｢んふふ、やっぱり阿部ちゃんのなでなでは気持ちいい！｣

｢そう？ふふ、本当にわんちゃんみたいだね。｣

桃｢わん！...なんてね！｣


おいおい、両手をグーにしてほっぺの横に持ってこないでくれよ。

その上に“わん！”って...。

本当にあざとすぎる。

...あ、そういえば。


｢ねぇ佐久間。ダンス中の腹チラっていつもやってんの？｣

桃｢ん？あぁ、そうだよ！人気でさ〜！｣

｢そう。...ねぇ、それ俺の前だけにしてよ。｣

桃｢えぇ？！なんで！｣

｢俺以外の人に佐久間のお腹見てほしくないの。わかった？｣

桃｢うん。わかった...？｣


本当に理解しているのかわからないけど、佐久間は俺のだからね。

ほかの野郎にとられてはいけないから今のうちに先手を打っておく。


紫｢おい...あいつら本当にあって数日の奴らかよ...。｣

青｢あんな怖い阿部ちゃんはじめてだわ。｣

赤｢まだ付き合ってもないのにねぇ。｣

黄｢独占欲丸見え。｣

｢うるせぇ。｣

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