こんな気持ち、知らない

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『佐久間！今日帰りゲーセン行かね？』

『さっくん！お昼一緒に食べない？』

『佐久間！』


...やっぱ大人気だな〜、佐久間。

1年生の最初の頃と同じで、自分の席で静かに過ごす。

このクラスで佐久間以外友達いないし、まさか話せなくなると思ってなかったし...。

本でも持ってこればよかったかな。暇すぎる。


『お前ら、席に座れ〜。』


と先生が教室に入ってきた。

佐久間の席、地味に遠いな。

ちぇ、隣だったらよかったのに。


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長い長い午前授業が終わり、いよいよ昼休みの時間になった。

佐久間...は誘えそうにない...。

舘様にまた昼休みねって言われたけど、俺先行っちゃおうかな...。

あの輪に入る勇気がない...。

弁当を持って舘様達の教室に行こうとすると...。


桃｢あ！阿部ちゃん待って！｣

｢！え？｣

桃｢も〜！佐久間のこと置いてこうとしたな？｣

｢いや、佐久間みんなに囲まれてたし...。｣


うぅ、視線が痛い...。特に女の子の...。

漫画部で読んだことがある。女の子を敵に回すと怖いって。

今まさにそれじゃん。こっわ...。


桃｢早く照達のとこ行こ！｣

｢う、うん！｣


クラスの人達からの視線は痛かったけど、あれだけの人数がいたのに、俺を選んでくれて本当に嬉しかった。

俺が特別みたいで、ちょっとドキドキした...///

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