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人殺しの狐様 ページ37

※殺人、放火などの表現があります。苦手な方はお戻りください。

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ー群青村ー


そこは古くから狐の呪いの言い伝えがあった。

狐様を怒らせると人が死ぬ。

狐様の正体を知ってしまったら殺させる。

全て人の死に纏わるものだった。

そこに住む者は皆、狐様を怒らせないように、そして見ないように生活していた(・・・・)

そんな村民が、ある日、1人(・・)を除いて全滅してしまった。

これは、村民の全滅、全滅理由、そして、たった1人の生存者のお話。


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光side

俺、八乙女光は群青村に産まれ育ったもうすぐ18歳の男だ。

両親は早くに病気でなくして、それ以来ずっと1人で暮らしている。

群青村は、昔から狐様が宿っていて、狐様の言うことを聞かないと殺されると言われてきた。

そんな恐ろしい村によく18年も生活しているなと関心されると思うが、別に言うことを聞いていれば普通の村と変わらない。

狐様は無茶なことは決して言わないから、ここ最近は殺される人もあまりいないんだ。

あ、あと1つ狐様に殺される原因があるんだ。

それは姿を見ること。

群青村にとって狐様は、神様や仏様に近い存在。

姿を見てしまってはいけないのだ。

たとえ子供でも、姿を見てしまったらその場で殺される。

最近は村に降りてきてないから姿を見たという人はいないけどね。


「あ、そろそろお供え物を置きに行かなくちゃ。」


毎日日が沈む前に狐様にお供え物を置くのが俺の習慣なんだ。

お供え物は俺が作ったおいなりさん。

どうやら狐様の好物らしい。

人を殺す残酷な狐なのに、好物は可愛らしいんだよなぁ。

他の村の人は人殺しの狐に供える物はないとお供え物を置きたがらないから、これをしているのは俺だけ。

おっと、遅くならないように早く行こ。

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作者名:名のない納棺師 | 作成日時:2019年12月4日 20時

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