桜の花 長谷部side ページ12
長谷部side
見習いが俺に見せた桜の花弁は確かに俺の肩から取った。
その上、基本的にこの桜は刀剣男士の間で誰が舞わせた桜なのかが神気で分かるようになっている。
見習いが俺に見せた桜からは俺の神気が漂っている。
つまりこの桜は、正真正銘俺から出た桜である事に間違い無かった。
顕現でもなく出陣でも無い…
つまりこの桜が意味している俺の感情は…
嬉しい…という事だ。
と、言うことはつまり、俺が見習いといて嬉しかった事があったと言う訳だ。
嬉しかった事…嬉しかった事…
そう考えて導き出される答えは1つしかない。
見習いに、名前を呼ばれた事だ。
桜を舞わせるほど俺は見習いに名前を呼ばれたのが嬉しかったのか?
そう思い、名前を呼ばれた時のことをよく思い出してみた。
そして原因が分かった様に思えた。
俺の名前の呼び方があの男そっくりなのだ。
刀の俺を使い茶坊主を棚ごと押し切り、
最終的には家臣でもないやつに下げ渡した俺の前の主、『織田信長』に。
見習いが呼んだ俺の呼び方は『織田信長』が
刀である『へし切長谷部』を手入れしている時によく聞いた、
「へし切、よく頑張った」
「へし切、欠けないでくれてありがとう」
「へし切、傷が付いたな、痛いだろう」
「へし切、儂の大切な愛刀よ___________」
その言葉を発する『織田信長』と
全く同じだった。
と、言うことはつまり、
俺は見習いがあの男に少し雰囲気が似ていた上に俺の、『へし切長谷部』の名前を呼ぶ言い方が同じだったからっていう理由で桜を舞わせたと言うのか…?
そう思うと恥ずかしさが込み上げ、声にもならない声が口から出る。
今俺は、恐らく顔が赤いのだろう。
証拠に俺の顔を見た見習いがピシッという効果音付きで動きが止まった。
すぐにハッとした見習いは
あたふたとしながら俺を心配している様だった。
貴女「え、あの、長谷部様?大丈夫ですか?
私何かしましたでしょうか?」
違う、違う…
見習い、お前は何もしていない。
ただ少し…少しばかりあの男を思い出しただけだ。
だからそんな心配そうな顔で俺を見るな…
あまり働かない頭で
長谷部「…何でもない」
とだけ見習いに言い、俺は大広間の方へと踵を返した。
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安奈(プロフ) - それこそ貞ちゃんとみっちゃんでどうでしょう!?身内の言葉の方が心に響きやすいと思う。 (2月17日 15時) (レス) @page46 id: dd0f887606 (このIDを非表示/違反報告)
ブルードーナツ(プロフ) - うぽつです!とても面白いです!!凄い好きになりました!!続き楽しみです!更新頑張ってください! (2023年3月7日 17時) (レス) id: e782ba2d12 (このIDを非表示/違反報告)
S - 鶴丸さんと謙信くんで出してください! (2023年2月2日 7時) (レス) @page46 id: 6fdaf62f95 (このIDを非表示/違反報告)
vサイン - すごく面白いです!!短刀は乱ちゃん太刀は小竜景光などはどうでしょうか?自分のペースで頑張ってください! (2022年5月30日 12時) (レス) @page46 id: 38a5f9016c (このIDを非表示/違反報告)
百合(プロフ) - ミニ劇団は三条派がいいです! (2022年5月22日 10時) (レス) @page46 id: ec6bf20063 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お京 | 作成日時:2020年5月14日 13時