三章【あのな】 ページ7
「さて。帰ってきたは良いが、何か言うことは?」
「誠に申し訳ありませんでした」
「うん。で?」
「もう二度とこのような家出や先ほどのような飛び出しは致しません」
「当たり前と言ったら当たり前だな」
「はい……」
私の家に帰って早くも数分。
零と私はリビングの椅子に座って向かい合わせでお話中。
腕組みをして少し見下すような形を取っている零と、
しゅんっ…と全身を縮こませている私。
蛇に睨まれた蛙。
「今回この様な家出を試みた理由は?」
「…その、仕事をどうしても……知りたくて……」
「脅迫罪」
「……ハイ」
「知りたくて?」
「…あと、半分……面白そうだな…と…」
「は?」
「ひぃっ…」
威圧威圧。
威圧すごい!
折角先程の件で全ての説教が終わったって思ってたのに、まだあるのか!
いや、それ程だったって言うのは分かります!が!
「あのな。こっちの気持ちを考えてくれないか?」
「うっ……」
「Aの気持ちは十分に理解しているつもりだ。それでも話せないと俺は断っている。そこを理解してないのはお前なんじゃないか?」
「… … …」
「そもそも、PC作業でも仕事は仕事だぞ?会社の仕事内容を盗み見たらダメだろう普通。当てて見ろ、とか変なゲームを確かに持ちかけはしたが、こんな事するくらいだったら言わないほうがよかったか」
「… … …」
「そもそももう少し先回りのことを考えてくれ。音信不通、何処にいるかもわからない。誘拐かもしれない、行方不明。警察沙汰になる。世間に出回りたいのか?というか、以前に約束したことを忘れたのか?社会に出た時の基本の報連相が出来ないのか?お前は」
… … …うるっ。
…と、涙が溜まった。
「何の為に約束させたと思ってる?何時から何時まで出かけて、何処にいるのか。夕飯はどうするか、知らせろという約束にお前頷いたよな?その前提の約束は?」
「だ……って、」
「だっても何もない!!!お前が予想してないところで事件はやってくるんだぞ、この間だってそうだったろ!誘拐だの何だのされたらどうする?誘拐されたら携帯繋がらないんだからな!?」
「…ごめん…なさい…」
──── だって…。
……だって。
「ぐすっ…ぅっ……うっ……」
「… … …」
その場に重い空気が流れた。
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天高 星(プロフ) - 明里香さん» 誤字指摘ありがとうございます!訂正致しました。 (2018年7月20日 11時) (レス) id: dc7bbe1568 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「住んだる」ではなく、「住んでる」です。 (2018年7月20日 9時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
天高 星(プロフ) - 純さん» 続編来れました、ありがとうございます〜!長いお話なのにも関わらずありがとうございます。今作もちまちまやっていけたらと思っておりますので是非よろしくお願いします。更新頑張ります。 (2018年7月9日 11時) (レス) id: dc7bbe1568 (このIDを非表示/違反報告)
純 - 続編、おめでとうございます!ずっと見させていただいてます!更新、頑張ってください! (2018年7月9日 6時) (レス) id: c70695402a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天高 星 | 作成日時:2018年7月8日 22時