── ページ16
「零……」
「おはよう、A」
ゆっくりと私が目を覚ましたのはベッドの上で。
昨日の出来事はまるで夢だったんじゃないかって思ったけど、服装が同じでぞくっ…て来た。
「… … …昨日の件があるから、少し話がしたいんだが」
「…はなし…?」
「そう。門限は21時。遅くても23時。必ず連絡を入れて、夕飯をどうするか、どこに行くか。何時から何時までか教えてくれ」
「えっ…いや…、それは…」
「A」
「ぅ……うん…」
反論しようと言葉を返そうとしたが、零の真剣な眼差しに負けて承諾として頷く。
まぁ確かに……そういう縛りがあったほうが、私も緊張感は持ちやすいかも……。
もう事件に巻き込まれるのは嫌だし…。
「…よし。なら良い」
事件……事件……
「あっ!!」
「!?」
私の声に肩をはね上がらせた零。
そんなことを御構い無しに私は零の方による。
予想外だったのか、慌ててPCを閉じた。
「なっ…、なに……」
「零って警察官なの!?!」
「… … …はっ?」
「だって昨日!!「警察はその一瞬も見逃さない」って!!」
「あっ…あぁ、アレは俺が警察官とかじゃなくて。例えばの話。俺は警察官じゃないけど、「警察だったら一瞬も見逃さない」って意味で……」
「零…」
じっっ…と零の目を見つめる。
零は少しだけバツの悪そうな顔になってから目をそらし、溜息を漏らした。
「…知り合いに、警察官が居るんだ。だからそれなりに知識もあるし、俺の趣味がボクシングだから強かっただけ。銃や刃物が当たらなかったのは分析はもちろんしたけど、奇跡だったよ」
… … …そうなのか。
いや、でも引きこもりっぽい零に警察に知り合い…?
あぁいやでも、それを言うなら私も高木刑事と知り合いみたいなもんだし…。
というか趣味ボクシングだったの!?!
「…A。無事でよかった」
「……うん、ありがとう。零」
──── 助けに来てくれて、嬉しかった。
… … …でもなんであそこの場所分かったんだろ?
警察にいくら知り合いがいても情報は渡しちゃいけないよね?
… … …うーん。
零って謎だ。
418人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜花(プロフ) - 序章の最後の文、わた ってなってますよ (2020年5月16日 10時) (レス) id: 6ec563add7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:天高 星 | 作成日時:2018年7月3日 9時