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「何だ、お前っ!?」
犯人が焦り始めて、零の方を向いた。
零はそれをただ凝視して居たが、犯人が持っている銃に目を向けた途端、少し驚いたようだった。
「… … …これはこれは。面白いオモチャをお持ちですね」
「はあ゛?オモチャだぁ?これはな、本物の銃と刃物だよ、ニイちゃん」
「おや、そうなんですか!凄いですね」
な、何が凄いのさ。
というか零、キャラ変わってない?
「それじゃぁ、まぁ!僕にも少しホンモノという刃物や銃を見させていただきたくて…」
トコ…トコ、と。
ゆっくりと、けどしっかりと。
零は犯人に歩き始めた。
「ま、待って!零 ────」
見せて欲しいって、正気!?
しかもそれ、逃亡犯なのにっ…!
危ないよ!!?
「見せて欲しいと言われてそうですかと見せるバカはいねぇよ!」
バァンッ…と、再び銃声がなり、店内に悲鳴が走った。
れ、零 ─────。
「… … …バカ?それはこっちのセリフだ」
「なっ…!?」
思わず目を瞑ったが、その声によって目を開ける。
間一髪…で、避けたの…かな…?
と言うか、口調……。
「まともに銃も扱ったことがないヤツが。初心者なのが丸見えだ。足の出し方。腰の構え、銃の持ち方、標準…逆計算すれば、簡単に避けられる」
…え、そ、そうなの?
っていうか、逆計算!?
「オマケに素人が撃ってるんだ。反動で手が痺れているところも考えれば、今ので限界。興味本位で一発撃ったのが悪かったな」
「くっ……そぉぉおおっ!!」
図星だったのか、犯人はそう叫びながら、今度は刃物を突き出して零に向かって行った。
「やっ…っ、零!!!」
「…大丈夫だ、A」
「ぇ……」
「余裕がなくなると人は皆、単調な動きになる。お前は特にそうだな。ただ刃物を一直線に突き出されれば簡単に避けることは可能」
「っ!!」
「仮に。こうして、避けられた時に振り向いて斬りつけようとするのなら、それはもう単なるバカだ。よろけてバランスを取り戻して振り向くまでに数十秒。いいか、警察はその一瞬も見逃さない」
─── けい…さつ?
え、零って、警察官…なの?
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桜花(プロフ) - 序章の最後の文、わた ってなってますよ (2020年5月16日 10時) (レス) id: 6ec563add7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天高 星 | 作成日時:2018年7月3日 9時