【名探偵コナン】恋人がヘタレを演じていたので私は今日も彼に…【降谷零】 (ページ12)

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─── 何故こんなことになったのだろう。
酔い潰れている人たちも出て来たので、零の約束も含めてとっとと切り上げてしまおうか。

そんなことを思っていたときに、唐突に店の扉が開いた。

もう夜中なのに、今から入る人なんているのか。
居酒屋だからそんなものか？

なんて考えていたが、その人は…。

─── 手に刃物を持っていた。

そういえば今朝、ニュースで警察から逃亡した輩が出たとかなんとか、やっていた気がする。

え、……まさか？

「テメェら全員座れ！携帯とか全部こっちに持って来いよ…！」

相手はたった一人。
たった一人なのに、その場に張りつめられた緊張感のある空気と、刃物を持っているという恐怖であっけなく従うしかない。

人数の多さなど、関係ないのだ。

大人しく携帯を差し出し、座り込む。

─── え、どうしよ。
涙出て来た。
何も考えられない、怖い。

零……、たすけて…
だって、人生うん十年か下手したら100歳まで生きられるのよ…？

そんな人生でこんな確率で事件に巻き込まれる…？
生まれて初めての経験よ。

米花町が犯罪都市だと噂されてるのは知ってるけれどもさ……!!

「おい、そこの。店員かなんかだろ、金詰めろ。このカバンに」

犯人の目的はどうやらお金。
そんなに金がないの…？
ひったくりとか色々多いわよね。

警察から逃げてるってことは、お金がないのは当然か…？

……なんて、冷静に今では考えられるけど、怖すぎて声が出ないのは事実。

え、犯人の顔は見てるわけだし、コレ同窓会の人たち全員…、殺 ────。

人生初めて、ぞくっ…と来た。